English
HARDWARE ManualSCUユーザーズマニュアル
戻る|   ■

SCU DSPシミュレータ 使用説明書

'94/08/25

目次

1. 概要
2. 実行環境
3. コマンド一覧
4. コマンド解説
5. 基本仕様
6. 利用手引き

1. 概要

本シミュレータは、DSPのソフト開発の効率向上のために、MSーDOSまたはUNIX上でDSPの処理をシミュレーションするものです。

シミュレーションの各機能は、コマンドライン形式で実行させます。以下がサポートする機能の一覧です。

  1. プログラムエリア、およびデータエリアのダンプ表示、編集機能。
  2. Sフォーマット形式に対応した、ファイルのロード&セーブ機能。
  3. ブレークポイントの設定、表示機能。
  4. プログラムの実行、および一時停止機能。
  5. プログラムのシングルステップ実行機能。
  6. アセンブル、および逆アセンブル機能。
  7. 全レジスタの表示、および設定機能。
  8. 入力コマンドのヒストリー機能。

2.実行環境

(A)MSーDOS版

MSーDOS、PCーDOSのバージョン3.00以上が動作する機種。 メモリは、640KB実装状態で実行可能。

(B)UNIX版

SPARC station仕様のマシン、及び、HPのマシン。

3.コマンド一覧

[A] アセンブル
[B] ブレークポイントの設定・表示
[D] メモリのダンプ表示
[E] メモリの書き換え
[F] メモリのフィル
[G] プログラムの実行
[H] ヒストリー設定・表示
[L] ファイルの読み込み
[M] メモリデータの移動
[Q] プログラムの終了
[R] レジスタの設定・表示
[S] プログラムのステップ実行
[U] 逆アセンブル
[V] 開発環境の種別設定
[W] メモリのファイル保存

4.コマンド解説

A:アセンブル

入力形式:
A[開始番地]
機能:
指定された番地から、入力されたニーモニックをコードに変換し、セットします。終了する際は、改行のみを入力します。

B:ブレークポイントの設定・表示

入力形式:
B<番地>
機能:
ブレークポイントの設定。
入力形式:
機能:
ブレークポイントの設定情報の表示。
入力形式:
B−[番地] または、 BX[設定番号]
機能:
ブレークポイントの解除。
番地又は設定番号省略時は全て解除。

D:メモリのダンプ表示

入力形式:
D[P|Rn|M][[開始番地 [終了番地]]
機能:
メモリのダンプ表示。
プログラムエリアの指定には「P」を、データエリアの指定には「R0」〜「R3」を、外部バスには「M」を指定します。
開始番地を省略した場合には、前回表示した番地の次から表示します。

E:メモリの書き換え

入力形式:
E[P|Rn|M]<番地> [設定値]
機能:
メモリの書き換えをします。
プログラムエリアの指定には「P」を、データエリアの指定には「R0」〜「R3」を、外部バスには「M」を指定します。
設定値を省略した場合には、番地を表示して、データの入力待ちになります。番地を進めるには、空入力をし、戻る場合には、「^」を入力し、中止する場合には、「.」のみを入力します。

F:メモリのフィル

入力形式:
F[P|Rn|M]<開始番地> <終了番地> <設定値>
機能:
開始番地から終了番地の範囲を設定値で書き換えます。
プログラムエリアの指定には「P」を、データエリアの指定には「R0」〜「R3」を、外部バスには「M」を指定します。

G:プログラムの実行

入力形式:
G [開始番地 [終了番地]]
機能:
指定した番地より、プログラムを実行します。番地を省略した場合には、PCレジスタで指定されている番地より実行します。
実行中に停止させる場合は、CTRL-C を入力してください。

H:ヒストリー設定・表示

入力形式:
H+
機能:
ヒストリーバッファへの取り込み許可。(default)
入力形式:
H−
機能:
ヒストリーバッファへの取り込み禁止。
入力形式:
H@
機能:
ヒストリーバッファの消去。
入力形式:
H [表示数]
機能:
直前の実行結果を、指定されたステップ数だけ表示します。
表示数を省略した場合には10になり、最大は512です。

L:ファイルの読み込み

入力形式:
L[P|Rn|M][ファイル名][転送番地]
機能:
ファイルをメモリエリアに読み込みます。
プログラムエリアの指定には「P」を、データエリアの指定には「R0」〜「R3」を、外部バスには「M」を指定します。
ファイル名を省略した場合には、Lコマンドで前回読み込んだファイル名を使用します。
転送番地を指定した場合、その番地を基準に読み込みます。

M:メモリデータの移動

入力形式:
M[P|Rn|M]<開始><終了>[P|Rn|M]<転送先>
機能:
開始番地から終了番地の範囲を転送先へ移動します。
プログラムエリアの指定には「P」を、データエリアの指定には「R0」〜「R3」を、外部バスには「M」を指定します。
転送先のプログラムエリアが省略された場合には、転送元の指定と同じになります。

P:プログラムサイズの変更

入力形式:
P[R|E]
機能:
プログラムコードを格納するサイズの調整をします。
パラメータを省略した場合には、現在の設定状況を表示します。
「E」が指定した場合には、最大2048命令に拡張し、「R」を指定した場合には、最大256命令に戻します。

Q:プログラムの終了

入力形式:
機能:
シミュレータのプログラムを終了します。

R:レジスタの設定・表示

入力形式:
R[<レジスタ名|フラグ名> <設定値>]
機能:
指定されたレジスタまたはフラグに値を設定します。パラメータが省略された場合には、全レジスタの値を表示します。
レジスタ名には、PC TOP LOP CT0 CT1 Ct2 RX RY PH PL ACH ACLTN0 RA0 WA0 A1 を、フラグ名には、PR EP T1 T0 S Z C V E ES EX を指定できます。
入力形式:
R@
機能:
すべてのレジスターを0にします。

S:プログラムのステップ実行

入力形式:
S[ステップ数]
機能:
指定されたステップ数だけの命令をPCレジスタの示す番地から実行します。
パラメータが省略された場合には、1ステップのみの実行になります。

U:逆アセンブル

入力形式:
U[開始番地 [終了番地]]
機能:
指定された範囲の逆アセンブル表示をします。
開始番地を省略した場合には、前回表示した番地の次から表示します。

V:開発環境の種別設定

入力形式:
V[S|M]
機能:
指定された開発環境に合わせて、MODEL−Mは「M」を、MODEL−Sは「S」を指定すると、アセンブル、逆アセンブル、実行関係の処理を対応させます。(デフォルトは「S」)機種指定を省略した場合には、現在選択されている機種を表示します。

W:メモリのファイル保存

s
入力形式:
W[P|Rn|M]<開始番地><終了番地><ファイル名>
機能:
指定された開始番地から終了番地までのデータをファイルに保存します。
プログラムエリアの指定には「P」を、データエリアの指定には「R0」〜「R3」を、外部バスには「M」を指定します。

^:コマンドヒストリー表示

入力形式:
^ [表示数]
機能:
過去に入力した行を、指定された数だけ表示します。表示数を省略した場合には、20個になり、最大は50です。
尚、コマンドを繰り返す場合には「!!」を、指定行のコマンドを繰り返す場合には、「!」の後に行番号を入力してください。

5.基本仕様

  1. 入力時の数値は、コマンドの回数指定(10進数)を除いて、16進数になっています。
  2. L、Wコマンドでのデータファイルの読み込み、保存に使用するファイル名の最後が、「.s」又は「.mot」の場合には、モトローラSフォーマットとして扱われ、アドレス情報も同時に処理されます。
  3. コマンドの入力を一括で行なう場合には、入力するコマンドを記述したファイルを、起動時のパラメータとして指定するか、コマンド受付時に「<FILE」という形式で指定します。
  4. 外部バスのメモリにアクセスする際には、アドレスがバイト単位になりますので、コマンド入力時に、内部アドレスで指定する場合は、アドレス値の最後に「L」を付けると、4倍に変換されます。
  5. D、S、Uの各コマンドでは、継続して表示する場合、改行キーのみを入力するだけで表示します。

6. 利用手引き

  1. DMAのシミュレートで、外部メモリから内部へデータを転送する場合、予め本シミュレータの外部バス用メモリに、データを入力、又は転送して使用してください。
  2. 本シミュレータの逆アセンブル機能では、演算コマンドの種類に応じて、位置を揃えていますので、最適化の目安に使用できます。
以上
戻る|   ■
HARDWARE ManualSCUユーザーズマニュアル