4．Cinepakライブラリ

　Cinepakライブラリは、QuickTime(Cinepak圧縮)ムービを簡単にSEGASATURN上で再生するためのライブラリです。

4.1　ライブラリの構成

　Cinepakライブラリの構成図を図4.1に示します。

図4.1　Cinepakライブラリの構成図

　Cinepakライブラリは、ストリームの制御は行いませんので、ファイルのオープンやピックアップの移動(ファイルの先読み)などは、アプリケーションプログラムで行ってください。
また、表示制御も行いませんので、スプライトの初期化やスプライトコマンドの設定などもアプリケーションプログラムで行ってください。
Cinepakライブラリは、メモリまたはCD上にあるムービファイルから、AV同期をとりながら、指定アドレスへの展開処理とオーディオの再生処理を行います。

4.2　ムービの再生手順

　(1)再生手順

　ストリームシステムを使用してムービを再生する手順を図4.2に示します。

図4.2　メモリ再生時のムービ再生手順

　(2)プログラム例

　ストリームシステムを使用してムービを再生するプログラム例を次に示します。

#define WORK_BUF_SIZE 200*1024L
#define PCM_ADDR ((void*)0x25a20000)
#define PCM_SIZE (4096L*16)

/* ワークバッファ　　*/
Uint32 movie_work[CPK_24WORK_DSIZE];
/* リングバッファ　　*/
Uint32 movie_buf[WORK_BUF_SIZE/sizeof(Uint32)];
StmHn　　stm;
CpkHn　　cpk;
Sint32　movie_x = 320;

/* 初期化 */
CPK_Init();

/* 画面表示の設定　　*/
INT_??? を使いVブランクIN割り込みを設定する。
VブランクIN割り込み内で CPK_VblIn(); をコールする。
スプライトコマンドなどの設定を行う。

/* ファイルの初期化　　　*/
GFS_Init(‥);
STM_Init(‥);
STM_OpenGrp();
STM_SetExecGrp(‥);
/* ストリームのオープン　*/
stm = STM_OpenFid(‥);

/* ムービハンドルの生成　*/
CPK_PARA_WORK_ADDR(&para) = movie_work;
CPK_PARA_WORK_SIZE(&para) = CPK_24WORK_BSIZE;
CPK_PARA_BUF_ADDR(&para) = movie_buf;
CPK_PARA_BUF_SIZE(&para) = WORK_BUF_SIZE;
CPK_PARA_PCM_ADDR(&para) = PCM_ADDR;
CPK_PARA_PCM_SIZE(&para) = PCM_SIZE;
cpk = CPK_CreateStmMovie(&para, stm);

/* 表示色数の設定 */
CPK_SetColor(cpk, CPK_COLOR_15BIT);
/* 展開先のアドレスの設定 */
CPK_SetDecodeAddr(cpk, ADDR_VRAM, 2 * movie_x);
/* ムービの再生開始 */
CPK_Start(cpk);
　while(TRUE) {
　/* ムービの再生処理 */
　CPK_Task(cpk);
　if (CPK_IsDispTime(cpk) == TRUE) {
　　/* フレームバッファの切り替え待ち */
　　SCL_DisplayFrame();
　　CPK_CompleteDisp(cpk);
　　}
　　/* ムービの終了判定 */
　　if (CPK_GetPlayStatus(cpk)==CPK_STAT_PLAY_END) break;
}
/* ムービの放棄　　　　　*/
CPK_DestroyStmMovie(cpk);
/* ストリームのクローズ　*/
STM_Close(stm);