• 　サウンドシステムの起動は“ＳＭＰＣ”が、“ＳＣＳＰ”のリセットを解除することから始まります。
  ＳＣＳＰのリセットが解除されると、３０μ秒程度の時間をかけて“ＳＣＳＰ”は内部コントロールレジスタの初期化を行います。この３０μ秒の期間はアクセス禁止です。
  

  　ちなみに、サウンドＣＰＵ“ＭＣ６８ＥＣ０００”の命令である“ＲＥＳＥＴ”命令によってリセットされることはありません。
  　また、“ＲＥＳＥＴ”命令は、本システムにおいて動作保証ができませんので、使用禁止です。

  　リセット解除後３０μ秒以上経過したら、メインブロック（ＳＨ２等）側からサウンドブロックに対してアクセスを行なうことができます。

  　ここで、やっとサウンドＣＰＵ用のプログラムやデータをダウンロードすることが可能となるわけですが、 その前に必ず「表２．１」に示すコントロールレジスタの“ＭＥＭ４ＭＢ”ビットに“１ｂ”を、“ＤＡＣ１８Ｂ”ビットに“０ｂ”をライトしてください。

• 　上表のデータを書き込めば、サウンドＲＡＭへのアクセスが可能となりますので、サウンドＣＰＵ用のプログラムやデータおよび波形データ等をダウンロードをしてください。

  　ダウンロードが終了したら、ＳＭＰＣによるサウンドＣＰＵのリセット（サウンドリセット）を解除してください。

• 　解除をすると、サウンドＣＰＵがダウンロードされたプログラムに従って動き始めます。（ＳＭＰＣによってリセットの制御をしています。）

• ダウンロードされるファイルに関してですが、サウンドＣＰＵを立ち上げるためには必ずリセットベクターが必要ですので忘れないようにしてください。

• リセットベクターはサウンドＲＡＭ上の００００００番地から８バイト分のデータをいいます。表2.2を参照してください。

• 　リセットが解除された後、サウンドＣＰＵはリセットベクターを読み込み、プログラムカウンターの値と同じ番地にジャンプをします。

図2.3　リセットシーケンス（動作順序図）

• 　メインブロックとサウンドブロックの通信ですが、ハードウェアにおいては“ＳＣＵ”を介してデータのやり取りを行ないます。

  　アクセスに関しては、メインブロック（ＳＨ２、ＳＣＵ）からサウンドブロックに対してデータのリードおよびライトが可能ですが、サウンドブロックからメインブロックに対してアクセスをすることはできませんので注意してください。

• メモリーマッピングは前述のものと同じですのでそちらを参考にしてください。

• 　サターンでは、ＭＩＤＩ通信機能を使用することが可能となっています。
  　サターン背面の“コミュニケーションコネクター”には、ＭＩＤＩインターフェイスに必要なシリアル信号線が出力されています。

• 　ＭＩＤＩの送受信データおよびそれに関わる制御はすべてＳＣＳＰのコントロールレジスタ中で行なうことが可能ですので、 ＭＩＤＩを使用される場合には、後述のＭＩＤＩレジスタの項目を参照してください。

• 　サウンドブロックにおける割り込みは、ＳＣＳＰから発生されて、サウンドＣＰＵに対してはもちろんのこと、メインブロック（ＳＨ２）に対する割り込みとしても使用することができます。

  図2.4　割り込みの関係
  

• 　サウンドＣＰＵの割り込みは、ＭＣ６８ＥＣ０００のオートベクター方式を利用しています。
  　ベクターですが表2.2のベクターテーブルを参照してください。

• 　割り込みレベルは１から７までの計７レベルが使用可能ですが、開発ツールにおいてレベル７の割り込みを使用していますので、ユーザーが使うことのできる割り込みレベルは１から６までの６種類ということになりますので注意してください。

• 　また割り込み要因ごとに割り込みレベルを設定できるようになっています。詳細は割り込み制御レジスタを参照してください。