図3.1 CD-DA経路
まず各音源間のレベルバランスをとるための“EFSDL16/17”、各音源の定位を指定する“EFPAN16/17”、 そして最終的に出力レベルを調整する“MVOL”です。
こういう方式をとった理由としては、サターンにはアンプ(増幅器)が搭載されていないために、音量を持ち上げることができませんので、ダイナミックレンジをできるだけ広くとるように調整できないと、音量が非常に小さくなってしまうからです。
CD-DAだけしか音を出力しないという場合、他にミキシングする音が無いということから、レベルは0[dB]でも良いことになりますので、EFSDL16/17をそれぞれ“7H”に設定します。
他に音を鳴らす場合には、レベルを下げてオーバーフローしないようにしてください。(ちなみに値を小さくしていくと、音量が小さくなります。)
CD-DAを出力するうえで注意しなければならないことは、CD-DAに関していえばLR(左右チャンネル)にわかれてSCSPに入力されてきますが、SCSP側ではPCM音源/FM音源の音と同じように扱っていますので、 Lチャンネル側はLに、Rチャンネル側はRにと、正しくパンニング設定をしないと、CD-DAがステレオであっても実際にはステレオで出力されないといったことがおきてしまいます。
ですから、“EFPAN16”には“1FH”を、“EFPAN17”には“0FH”を設定します。(レジスタの設定内容に対する定位の位置に関するデータは後述の「ミキサー」の項目を参照してください。
これは最終段のマスターボリュームなので、とりあえず最大音量の“FH”に設定をします。
今までの設定をまとめてみますと、下表3.1 のようになります。
スロット制御レジスタ スロット番号16 | ||||||||||||||||
アドレス | 25B00216h/100216h | 25B00217h/100217h | ||||||||||||||
ビット | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
レジスタ | − | EFSDL16[7:5] | EFPAN16[3:0] | |||||||||||||
初期値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
&H(16進) | 0 | 0 | F | F |
スロット制御レジスタ スロット番号17 | ||||||||||||||||
アドレス | 25B00236h/100236h | 25B00237h/100237h | ||||||||||||||
ビット | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
レジスタ | − | EFSDL16[7:5] | EFPAN16[3:0] | |||||||||||||
初期値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
&H(16進) | 0 | 0 | E | F |
SCSP共通制御レジスタ | ||||||||||||||||
アドレス | 25B00400h/100400h | 25B00401h/100401h | ||||||||||||||
ビット | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
レジスタ | − | M4 | D18 | VER[7:4] | MVOL[3:0] | |||||||||||
初期値 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
&H(16進) | 0 | 2 | 0 | F |
ただし、モノラルにしたい場合には、EFSDLの値をステレオ設定の場合に対して、1小さい数にしてください。