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SCSPユーザーズマニュアル
第2章 SCSP概要
■2.1 LSI概要
- SCSPは、マルチメディア対応を考慮しながら開発したため、オーディオ機能には、今まで以上の高機能・高音質化が図られています。
演算部も市販のシンセサイザーに迫る性能を備えており、多くの音数を発音させることができます。
また、将来の拡張性も考慮したため、各種のインタフェースが用意されています。
DSP部も複数の音場を作り出すことが可能で、各種音場再生、および3Dサウンド定位等の特殊効果に威力を発揮します。
以下にLSIの特徴を記述します。
- ●サンプリング周波数
- 音源部リサンプリング周波数(定再生レート) 44.1KHz
- 波形データのサンプリング周波数 0(CD)〜44.1KHz
- ●特徴
- FM、PCM兼用のスロットを32個搭載しています。
- スロット別に1個(完全独立)計32個のLFOを搭載しています。
- 4セグメントのEGを32個搭載しています。
- サウンドCPUとメインCPU、2つのCPUインタフェースを内蔵しています。
- MIDIインタフェースを内蔵しています。
- 128ステップのDSPを搭載しています。
- DSP入力を選択する入力ミキサを内蔵しています。
- 音源出力やDSP出力をミキシングする出力ミキサを内蔵しています。
- 新型のFM演算方式を搭載しています。
■2.2 LSI仕様
- 以下にサウンドCPU(MC68EC000)、およびSCSPの詳細仕様を記述します。
- ●サウンドCPU仕様
- SOUND CPU MC 68EC000-12 12.5MHzバージョン
- 動作周波数
11.2896MHz
- CPU命令
MC68000CPUと完全コンパチブル命令体系 注1
- 割り込み信号
オートベクタによるレベル1〜7割り込み
- ハードウェア構成
MC68000CPUからMC6800(8ビット)インタフェースを削除した構成
- 注1:
- セガサターンにおいては、一部の命令が使用禁止となっています。
-
- ●SCSP LSI仕様
- SOUND LSI SCSP(SATURN CUSTOM SOUND PROCESSOR)
- 動作周波数
22.5792MHz
- ◆音源部
- 音声合成方式
PCM音声合成およびFM音声合成方式ノイズ音源(混在使用可能)
FM音声合成は、従来の4オペレータ(スロット)タイプだけでなく、2〜32オペレータを使用して任意のFM結線を行うことができます。また、フィードバック設定も任意に行うことができます。
- 音源部リサンプリング周波数
44.1KHz固定、一次補間
- 波形データフォーマット
16ビット直線および8ビット直線 2'Sコンプリメント方式
- 音声処理スロット数(搭載数:32)
PCM音源およびFM音源の1オペレータ(1スロット)に相当
- 最大(最多)同時発音数(搭載数:1〜32)
すべて4オペレータ(スロット)タイプFM音の時8音、すべてPCM音の時32音となります。
FM音1音に使用するスロット数は任意に設定できます。 FM音とPCM音の混在使用も可能です。
使用しているスロットの総和が32を越えなければ、 どのような組み合わせでも構いません。
- 波形ループ機能
各スロットごとに ノーマル、リバース、オルタネーティブループから選択
- EG(搭載数:32)
4セグメントAMPLITUDE-EG(各スロットに1基ずつ搭載)
- LFO(搭載数:32)
各スロットに1基ずつ搭載(振幅・周波数変調用)
- LFO出力波形の種類(搭載数:4)
鋸歯状波、方形波、三角波、ホワイトノイズの4波形
- 音源部発振周波数
−8〜+7オクターブ オクターブ間は1024段階(非直線)設定可能
- ◆エフェクト用DSP部
- DSP処理速度
128ステップ/Fs(多並列処理型DSP Fs=44.1KHz)
- プログラムRAM(容量:128W)
128ワード×60ビット
- 係数データRAM(容量:64W)
64ワード×13ビット
- テンポラリ(汎用)RAM(容量:128W)
128ワード×24ビット
- マルチプライヤー精度
24ビット×13ビット=26ビット出力
- アダー精度
26ビット+26ビット=26ビット出力
- DSP内部バス幅
24ビットデータバス
- ◆デジタルミキサ部
- 出力レベル調整段階数
8段階(各スロット音、DSP出力音に対して)
- パンポット調整段階数
31段階(中央1段階、左右各15段階)
- DSPエフェクト センドチャンネル数(搭載数:16)
各チャンネルに、複数スロットの出力をミックスして格納可能
- DSPエフェクト リターンチャンネル数(搭載数:16)
各チャンネルごとにレベル、パンポット設
- マスタボリューム設定機能
ステレオ対応
- ◆CPUインタフェース
- メインCPUインタフェース(搭載数:1)
SCU B-BUSインタフェース
- サウンドCPUインタフェース(搭載数:1)
MC68EC000インタフェース
- ◆その他の機能、インタフェース
- タイマ(搭載数:3)
プリスケーラ付き8ビットタイマ
- DMAC(搭載数:1)
SCSP〜DRAM間転送用DMAコントローラ
- 割り込みコントローラ(搭載数:1)
メイン・サウンドCPU用割り込みコントローラ
- MIDIインタフェース
IN:1 OUT:1
- デジタルオーディオ インタフェース(搭載数:1)
入力用ステレオインタフェース:1
- サウンドメモリ用 インタフェース(搭載数:1)
DRAMインタフェース
- DAC出力インタフェース(搭載数:1)
16ビット/18ビット ステレオDAC インタフェース
- 外部割り込み信号 インタフェース(搭載数:3)
セガサターンでは、未接続・未使用
- ◆DSPプログラムライブラリ
- 各種エフェクトプログラム
- REVERB〔リバーブ〕(HALL、ROOM、VOCAL、PLATE等)
- EARLY REFLECTION〔アーリーリフレクション〕
- ECHO〔エコー〕・DELAY〔ディレイ〕(STEREO、MONORAL)
- PITCH SHIFTER〔ピッチシフター〕(SINGLE、DOUBLE、TRIPLE)
- CHORUS〔コーラス〕
- FLANGER〔フランジャー〕
- SYMPHONIC〔シンフォニック〕
- SURROUND〔サラウンド〕
- VOICE CANCEL〔ヴォイスキャンセル〕
- AUTO PAN〔オートパン〕
- PHASER〔フェイザー〕
- DISTORTION〔ディストレーション〕
- FILTER〔フィルター〕
- PARAMETRIC EQUALIZER〔パラメトリックイコライザー〕
■2.3 SCSPチップブロック
- 図2.1に、SCSPのチップブロックを示します。
-
- ●サウンドCPUインタフェース
- MC68EC000を接続するインタフェースです。
- ●メインCPUインタフェース
- システムコントローラ(SCU)を接続するインタフェースです。
- ●DMA転送用インタフェース
- SCSP内蔵のDMAコントローラで、SCSP、サウンドメモリ間のデータ転送を可能とします。
- ●MIDIインタフェース
- MIDI規格対応のシリアルインタフェースです。ただし、MIDIコネクタ対応にするには、多少の外付け回路が必要となります。
- ●外部入力(外部デジタルオーディオ入力インタフェース)
- 外部機器(外部デバイス)からのデジタルオーディオ信号を入力とするインタフェースです。
- ●LFO(Low Frequency Oscillator)
- 人間の耳に聴こえる範囲より低い周波数の波形を発生する関数発生器で、各種変調用波形として使用されます。
- ●フェーズジェネレータ
- PCMデータの発音周波数設定に従って、周波数情報を演算・算出するブロックです。
- ●アドレスポインタ
- フェーズジェネレータからの位相情報等をもとに波形アドレス値を生成します。
- ●メモリコントローラ
- アドレスポインタで生成されたアドレスをメモリに出力しデータを読みだす等、サウンドメモリをコントロールするブロックです。
- ●インタポレータ(INTERPOLATOR)
- 波形データの補間演算を行なうブロックです。
- ●エンベロープジェネレータ(EG:Envelope Generator)
- 音声の出力レベルを時間的にコントロールする関数演算ブロックです。
- ●レベル演算部
- EGおよびTL(Total Level)、ALFOによって生成されたレベル係数をもとに波形出力レベルの演算を行なうブロックです。
- ●DSP
- SCSPの音響特殊効果を受け持つオーディオ用DSPです。
- ●出力ミキサ
- 各音声出力をステレオ出力にまとめるための、各種定位演算機能およびレベル調整機能を持つ最終ブロックです。
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