3.動作概要

　MPEGライブラリは、ビデオの再生に対して以下の2つの動作モードを持っています。

　(1)動画再生モード

　動画を再生するモードです。通常再生状態、フリーズ状態、ポーズ状態、ポーズ＆フリーズ状態があります。

　(2)静止画再生モード

　静止画を再生するモードです。通常の解像度で4バンク、高精細の解像度で1バンク分の画像が表示できます。
　オーディオは常に再生することができます。また、ビデオとオーディオの同期を取ることもできます。

図3.1　動作モード

3.1　動画再生

　MPEGビデオのデータは、CDからCDバッファに読み込まれ、デコーダによってフレームバンクに展開されます。このフレームバンクに展開されたイメージデータを、順次表示することによって動画となります。フレームバンクのデータ表示方法は、VDP2に直接出力する方法とホストによってVRAMに転送し表示する方法があります。以下にデータの流れを示します。

図3.2　動画再生時のデータの流れ

3.2　静止画再生

　静止画再生モードでは、CDバッファ中のビデオストリームデータをフレームバンク番号を指定してデコードすることができます。出力するフレームバンク番号を指定して、VDP2に直接出力したり、ホストによってVRAMに転送し表示したりできます。

図3.3　静止画再生時のデータの流れ

3.3　画像データの出力方法

　出力フレームバンク内のイメージデータ領域に出力ウィンドウを作成し、データを出力することができます。データの出力方法には、以下の2通りの方式があります。

1. VDP2直接出力方式

2. ホスト転送方式

　ホスト領域に転送するときには複数の出力ウィンドウを、VDP2に直接出力するときにはただ1つの出力ウィンドウを作成することができます。
　また、これらのウィンドウに様々な映像効果を与えることができます。

図3.4　出力ウィンドウ

　映像効果

• トリミング(画像の切り出し)
• 拡大・縮小
• フェード
• モザイク・ぼかし
• ルミネッセンスキー

3.4　MPEGオーディオの再生

　MPEGオーディオの再生は、CDバッファから読み出されたストリームデータをデコードし、サウンドブロックへ出力することによって行われます。

図3.5　オーディオの再生