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PROGRAMMER'S GUIDECD通信I/F(CDパート)
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CD通信インタフェースユーザーズマニュアル

概 要


 本書は、CDブロックの機能と、CD通信インタフェースの外部仕様についてまとめたものです。
 CDブロックの機能は表1.1のように分類されます。

表1.1 CDブロックの機能分類
分類
内 容
CDパート
通信方式、CDドライブ関連、CDバッファ関連
CDブロックファイルシステム関連
MPEGパート
MPEG関連

 CD通信インタフェースにより、共通のソフトウェアインタフェースでCDブロックの機能を使うことができます。

1.1 ライブラリ構成

 CD関係のライブラリ構成を図1.1に示します。

図1.1 CD関係のライブラリ構成
       ┌────────────────────────────────┐    
       │                                │    
       │           アプリケーション             │    
       │                                │    
       └────────────────────────────────┘    
       ┌───────┐ ┌───────────┐ ┌────────┐    
       │MPEG   │ │ストリームシステム  │ │ファイルシステム│    
       │ライブラリ  │ │ライブラリ      │ │ライブラリ   │    
       │       │ │       ┌───┘ │        │    
       │       │ │       │ ┌───┘        │    
       │       │ │       │ │            │    
       └───────┘ └───────┘ └─────┐      │    
       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ │      │    
       ┃      CD通信インタフェース      ┃ │      │    
       ┗━━━━━━━━━━━┯━━━━━━━━━━━┛ └──┬───┘    
ソフトウェア             │                │        
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━━━━━━━┿━━━━━━━━
ハードウェア             │                │        
            ┌──────┴─────┐   ┌──────┴──────┐ 
            │   CDブロック   │   │SIMM,SCSIファイル│ 
            └────────────┘   └─────────────┘ 

 CDCといった、ライブラリを表す英字記号をライブラリ記号と呼びます。
 本書では、CD通信インタフェースのことを「CDC」と略称する場合があります。

1.2 システム構成

 CD関係のシステム構成を図1.2に示します。

図1.2 CD関係のシステム構成

CDブロックとのインタフェースは、メインシステムのことをホストと呼びます。
また、CDブロックは、サブシステムの一つです。

 (1)CDブロックとの通信
 ホストとCDブロックは、ハードウェアインタフェース上のレジスタを使って通信(コマンド/レスポンス、データ転送)をします。
 ホストからCDブロックに対して発行するコマンドのことを、CDブロックコマンドと呼びます。通常は「コマンド」と略称します。

 (2)CDドライブ
 CDブロックはCDドライブと定期的に通信し、ホストからのコマンドに対してCDドライブの制御をします。
 CDドライブはCD-ROMXA規格とマルチセッションに対応しています。また、標準速/2倍速の切り替えが可能です。(CD-DA再生時は自動的に標準速となります。)

1.3 機能と特徴

 (1)〜(3)はCD通信インタフェースの機能、(4)〜(7)はCDブロックの機能です。

 (1)CDブロックとの通信機能
  1. ホストとCDブロックの通信を行う、C言語のインタフェース関数群です。
  2. CDブロックに対してコマンドを発行し、レスポンスを受け取ります。
  3. CDブロックコマンドと、ほぼ1対1に対応します。

 (2)データ転送の補助機能
 データ転送の準備・終了やデータ転送レジスタのアドレスの取得といった、データ転送に関する補助機能をサポートします。
 CDブロックに対して取り出し・書き込みするデータは、CDブロックのデータ転送レジスタを通して転送します。転送自体はCD通信インタフェースを経由しません。DMA等のデータ転送モジュールが仲介します。(CPUによるソフトウェア転送、CPUのDMA、SCUのDMAが可能)

 (3)レジスタアクセス機能
 CDブロックのレジスタにアクセスする関数をサポートします。

 (4)CDドライブ機能
 音楽再生(CD-DA)とセクタリード(CD-ROM)を、CD再生という同一形式のコマンドで扱います。
 CD再生の中止(ストップ)、一時停止(ポーズ)はシークコマンドで、CD再生の再開(ポーズ解除)はCD再生コマンドで実行します。

 (5)サブコードR〜Wのデコード機能
 CD-DA再生時にサブコードR〜Wをデコードします。デコードされたパックデータを格納するため、24パック分のパックバッファがあります。

 (6)ストリーム選択機能
 CD-ROM XA規格のセクタや各種デバイス(ホスト、MPEG等)のストリームを統一的に処理します。

  1. ストリームを格納するため、200セクタ分(約460Kバイト)のCDバッファがあります。
  2. ストリームを選択(分離・格納・取り出し)するため、24個の独立したセレクタがあります。

 (7)CDブロックファイルシステム機能(ISO9660)
 ISO9660規格に準拠したファイルを容易にアクセスするため、CDブロック内でディレクトリ情報を保持します。


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Copyright SEGA ENTERPRISES, LTD., 1997