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SOUND Manualサウンド開発マニュアル
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サウンド開発マニュアル/1.概 要

■サウンド開発の一般的な手順

 1.ツールの起動

まず、サウンドシミュレータを起動します。必要に応じて、音色エディタ、波形エディタ、DSPリンカ、シーケンサも同時に起動しておくと便利です。

 2.サウンドメモリのマッピング

サウンド開発を行う場合には、まず最初にサウンドシミュレータを起動して、サウンドメモリのマッピングを設定し、68000のサウンドドライバプログラムをターゲットボードに転送します。サウンドエリアマップは事前に作成しておくと便利ですが、必要に応じて随時追加・変更を行うことができます。

 3.音色バンクデータの制作

音色バンクデータは音色エディタで制作します。また、セガから音色ライブラリを供給する予定です。
音色バンクデータはミキサー、ボイス、レイヤー、波形の4種類のデータの集まりで、一つの独立した音色を構成します(¢音色バンクデータの構成£本書7ページ参照)。ボイスはMIDIでのプログラムチェンジに対応するものなので、1バンクで128までのボイスを持つことができます。従って一つの音色バンクデータで最大128種類までの楽器をならすことができます。
音色バンクデータをサウンドシミュレータターゲットボードに転送します。この段階で、MIDI入力によって発音するマルチ音源として機能するようになります。キー発音方式はDVA(後着優先)です。音色、各音色のレベル、パンなどのエディットを行い、複数の音色バンクデータを保存できます。

 4.波形の編集

音色の編集のもとになる波形そのものの編集を行いたいときには、波形エディタを起動し、波形のサンプリングや編集を行います。

 5.DSPエフェクトプログラムのリンク

DSPエフェクトプログラムのリンクを行います。DSPライブラリの中から、かけたいエフェクトを選択してその結線の仕方を設定し、エフェクトのDSPプログラムをターゲットボードに転送します。エフェクトの各パラメータは転送後に編集できます。
なお、モジュレーション系のエフェクトは、モジュレータとしてスロットを使用するため、1音から4音同時に発音数が減ります。詳細はDSPリンカのマニュアルを参照してください。
リバーブ、エコー、コーラス等のモジュールがすでにライブラリ化されていますので、その中から必要なものを選んでリンクします。サターンのサウンドシステムでは、同時に複数のエフェクトを使用できますが、全体で128ステップを超えることはできません。例えばエコーは20ステップ、コーラスは22ステップ、イコライザーは5ステップとすると、この3つで47ステップとなります。
*ステップとは各エフェクトの命令数のことです。

 6.シーケンスデータの作成

ターゲットボードを音源として作編曲を行います。ターゲットボードにはMIDI INが2系統あり、各16チャンネルずつ最大32シーケンストラックまで対応します。各シーケンストラックごとに、MIDIプログラムチェンジにより、音色バンクデータ内のVOICEナンバーを任意に選択し音色を変えられますので、当然32トラックすべてを違う音色設定にできます。

 7.シーケンスデータのコンバート

制作した曲は、シーケンサソフト(PERFORMER, VISION, CUBASE等)により、最終的に、MIDIスタンダードファイルに変換し、さらにサウンドシュミレータで、ターゲットボード用のサターンフォーマットのデータにコンバートします。
シーケンスデータには、MIDIシーケンサで作成された曲データと、それを圧縮してサウンドメモリー上にロードできる形にしたサターンフォーマットのシーケンスデータの2種類があります。ただし、これは圧縮されているかどうかが違うだけで、展開されるMIDIデータとしては基本的に全く同じものです。

SEに関しても、基本的に楽曲の作成法と同じです。本開発システムでは、楽曲とSEにおいて制作プロセスや設定パラメータ上の違いはありません。

 8.シミュレーション(実機シミュレータ機能)

サターンフォーマットのシーケンスデータ(Sequence Bank DataYes.)をターゲットボードに転送します。サウンドシミュレータで、実際のゲームに組み込まれた状態のシミュレートをして、曲、SEを鳴らしてチェックを行います(後述)。特に問題のない限り、市販のシーケンサソフトでターゲットボードを発音させるのとまったく同じサウンドを再現します。この段階で、曲、SE間のつながりやバランスなど最終的な評価を行い、変更すべき箇所があれば、音色エディタ、波形エディタ、DSPリンカ、シーケンサソフトで各箇所を作り直します。

 9.実際のゲームに搭載


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