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SCSPユーザーズマニュアル/4.2 音源部レジスタ
■PITCHレジスタ
- OCT[3:0](R/W) ; OCTave
- "OCT"はメモリ内に格納されている波形データに対して、発音周波数をオクターブ上げるもしくは下げる機能をもつレジスタです。
- FNS[9:0](R/W) ; Frequency Number Switch
- "OCT"のオクターブ上下間の、更に細かな発音周波数設定機能を持つレジスタです。"FNS"値、"OCT"値がともに"0H"の場合、音程はサンプリングソースと一致します。"FNS"値および"OCT"値の関係を図4.45に示します。
図4.45 OCTとFNSの関係
- 実際のピッチ(n)は、下に示される式で計算されます。
- この式によって得られる値は、単位セント(Cent)で表されます。
- ここで、セントについて説明をしておきます。
- 1セントは、21/1200=1.000577789倍です。また、1オクターブは1200セントです。nセントの時は、元の周波数に対して2倍{=(1.000577789)n}になります。
従って、基本となる周波数Fo[Hz]の音に対して、nセント高い音の周波数をFn[Hz]は、以下の式で求めることができます。
- この時のセント数に対する実周波数は、表4.12のようになります。
- 表4.12 セント数に対する実周波数
セント数 | 実 周 波 数 値(×Fo) |
0 | 1.000000000 |
100 | 1.059463094 |
200 | 1.122462048 |
300 | 1.189207115 |
400 | 1.259921050 |
500 | 1.334839854 |
600 | 1.414213562 |
700 | 1.498307077 |
800 | 1.587401052 |
900 | 1.681792830 |
1000 | 1.781797436 |
1100 | 1.887748625 |
1200 | 2.000000000 |
- 次に、"FNS"および"OCT"の設定方法をC4(ド)の音を44.1KHzでサンプリングした場合を例として説明します。
P[Cent]の時の"FNS"値は、下記の式で求めることができます。
- この式から、各パラメータを表4.13のように設定することにより、任意の周波数で出力することが可能です。
- 表4.13 FNS.OCTパラメータ表
音名 | NOTE番号 | PITCH[Cent] | FNS[9:0][DEC] | FNS[9:0][HEX] | OCT[3:0][HEX] |
B3 | 59 | 1100 | 909.1 | 38D | F |
C4 | 60 | 0 | 0.0 | 0 | 0 |
C4# | 61 | 100 | 60.9 | 03D | 0 |
D4 | 61 | 200 | 125.4 | 07D | 0 |
D4# | 63 | 300 | 193.7 | 0C2 | 0 |
E4 | 64 | 400 | 266.2 | 10A | 0 |
F4 | 65 | 500 | 342.9 | 157 | 0 |
F4# | 66 | 600 | 424.2 | 1A8 | 0 |
G4 | 67 | 700 | 510.3 | 1FE | 0 |
G4# | 68 | 800 | 601.5 | 25A | 0 |
A4 | 69 | 900 | 698.2 | 2BA | 0 |
A4# | 70 | 1000 | 800.6 | 321 | 0 |
B4 | 71 | 1100 | 909.1 | 38D | 0 |
C5 | 72 | 0 | 0.0 | 0 | 1 |
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