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HARDWARE ManualVDP1ユーザーズマニュアル
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VDP1ユーザーズマニュアル/第1章 VDP1の機能

 ●パーツ

 パーツは次のように分類されます。

表1.1 パーツの分類
分類
パーツ名
機能
定義方法
パーツ
テクスチャパーツ
定形スプライト
キャラクタ、
上下、左右反転、
1頂点と読み出し方向
矩形スプライト
キャラクタ、
上下、左右反転、
拡大縮小、伸縮
2頂点と読み出し方向、または
不動点と幅と読み出し方向
変形スプライト
キャラクタ、
上下、左右反転、
拡大縮小、伸縮、
回転、ねじれ
4頂点と読み出し方向
ノンテクスチャパーツ
ポリゴン
四角形、
中は塗りつぶし
4頂点
ポリライン
四角形
4頂点
ライン
直線
始点と終点

 ●テクスチャパーツ

 テクスチャパーツをスプライトと呼びます。スプライトはキャラクタパターンを描画します。キャラクタパターンはピクセルデータをキャラクタパターンテーブルとしてVRAMに定義します。 ピクセルデータの大きさはカラーモードとキャラクタのサイズで決まります。
 スプライトには、定形スプライト、矩形スプライト、変形スプライトがあります。 定形スプライトは上下、左右反転ができ、矩形スプライトは上下左右反転、拡大縮小、および伸縮ができ、変形スプライトは上下左右反転、拡大縮小、伸縮、回転およびねじれができます。

 ◆定形スプライト
 キャラクタパターンを指定する位置に描画します。 キャラクタパターンを描画する左上頂点の座標を指定します。指定された左上座標からXは右方向、Yは下方向へ描画します。 キャラクタパターンの読み出し方向を、上下反転、左右反転に指定した場合は、それぞれ定義されたキャラクタパターンの右端を左から、または下端を上から描画します。
 定形スプライトは、90゜回転させることはできません。90゜回転させたいときは、変形スプライト描画コマンドで指定します。

図1.2 定形スプライト

 ◆矩形スプライト
 キャラクタパターンを指定する位置に拡大、縮小して描画します。位置と縮小拡大を指定する方法は、2種類あります。1つは左上頂点と右下頂点の座標2点を指定する方法で、もう1つは不動点(ズームポイント)とその座標、縦横の表示幅を指定する方法です。 矩形スプライトは、90゜回転させることはできません。90゜回転させたいときは、変形スプライト描画コマンドで指定します。

座標2点指定
 座標2点指定のとき、キャラクタパターンの左上頂点と右下頂点とを描画する2点の座標を指定します。
 描画方向(キャラクタの描画の向き)は指定された左上座標に対する右下座標の位置関係で決まります。キャラクタパターンは、左上座標から右下座標に向かって描画されます。
 右下座標のXの値が左上座標のXの値より小さいときは左右反転して描画され、右下座標のYの値が左上座標のYの値より小さいときは上下反転して描画されます。
 定形スプライトと同じに読み出し方向でも反転を指定できます。座標で上下反転させ、読み出し方向で上下反転させると、反転が相殺されて、上下反転の指定は無効になります。

図1.3 矩形スプライト(座標2点指定)

不動点指定
 不動点と表示幅を指定して、矩形スプライトを描画できます。キャラクタパターンの不動点と、その不動点の描画座標と、キャラクタパターンを描画する表示幅を指定します。
 不動点はキャラクタパターンのどの点を不動点として描画するかを指定します。横方向は左辺、中央、右辺から、縦方向は上辺、中央、下辺から選びます。
 表示幅はX方向とY方向の表示幅を指定します。キャラクタパターンの読み出し方向を、上下反転、左右反転に指定した場合は、それぞれキャラクタパターンの不動点を基準に上下反転、左右反転して描画します。
 上下反転、左右反転により描画領域が異なります。

図1.4 矩形スプライト(不動点指定)

 ◆変形スプライト
 キャラクタパターンを4つの頂点座標を指定して描画します。キャラクタパターンの4つの頂点の描画座標をそれぞれ対応させて4つ指定します。4つの座標の関係は任意なので、指定方法により反転、拡大縮小、回転させ、あるいはねじることができます。
 変形スプライトはキャラクタパターンを斜めのラインとして描画します。このとき、ピクセルの欠落がでないように穴埋めします。そのため2度書きのピクセルが発生するので、色演算の半透明処理等は結果が保証されません。
 描画はラインで描画するので、ねじり、回転の場合は、4つの頂点を結ぶ図形の外にはみ出すこともあります。

図1.5 変形スプライト

穴埋め処理
 変形スプライト、ポリゴンは斜めにラインを描画します。このとき、ピクセルの欠落がでないように穴埋めします。穴埋め方法は次のとおりです。

図1.6 穴埋め処理


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