<37/86>VDP2ユーザーズマニュアル/5.2拡大縮小機能

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VDP2ユーザーズマニュアル/第５章　ノーマルスクロール画面

■5.2　拡大縮小機能

　NBG0、NBG1は、画面全体を水平方向と垂直方向に拡大縮小することができます。拡大縮小の制御は、表示座標の計算に必要である水平方向と垂直方向の座標増分をレジスタに指定することで行います。
水平方向に縮小する場合は、縮小イネーブルレジスタの設定を行わなければならず、その設定によって表示できなくなる画面があります。
　表示座標は次の式で計算されます。このとき、計算結果の小数部は切り捨てられます。

(表示座標値X) = (座標増分X)×(Hカウンター値) + (画面スクロール値X)

(表示座標値Y) = (座標増分Y)×(Vカウンター値) + (画面スクロール値Y)

　画面の拡大縮小は、水平方向と垂直方向の座標増分を座標増分レジスタに設定することで制御します。水平方向座標増分整数部ビットと水平方向座標増分小数部ビットで水平方向の座標増分を、垂直方向座標増分整数部ビットと水平方向座標増分小数部ビットで水平方向の座標増分を指定します。
　整数部ビットのすぐ下位に小数部ビットが付加されます。ビット構成を図5.2に示します。

図5.2　座標増分レジスタの構成

●水平方向および垂直方向座標増分レジスタ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ビット　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３１　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１８　　１６　１５　　　　　　　　　　８　７　　　　　　　　　　　　　０　 ┌─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ │−│−│−│−│−┃−│−│−│−│−│−│−│−┃　│　│　┃　│　│　│　│　│　│　┃−│−│−│−│−│−│−│−│ └─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───┘　└───────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　整数部　　　　　　　小数部　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　●座標増分レジスタ

　座標増分レジスタは、スクロール画面の座標計算を行うときの座標増分を指定します。書き込み専用の32ビットのレジスタで、180078H〜18007EH番地、180088H〜18008EH番地にあります。電源投入後またはリセット後、値は0にクリアされますので必ず設定してください。

ZMXIN0　180078H

-	-	-	-	-	-	-	-
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

N0ZMXI2

N0ZMXI1

N0ZMXI0

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	N0ZMXI2	N0ZMXI1	N0ZMXI0

ZMXDN0　18007AH

N0ZMXD1	N0ZMXD2	N0ZMXD3	N0ZMXD4	N0ZMXD5	N0ZMXD6	N0ZMXD7	N0ZMXD8
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

-

-

-

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	-	-	-

ZMYIN0　18007CH

-	-	-	-	-	-	-	-
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

N0ZMYI2

N0ZMYI1

N0ZMYI0

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	N0ZMYI2	N0ZMYI1	N0ZMYI0

ZMYDN0　18007EH

N0ZMYD1	N0ZMYD2	N0ZMYD3	N0ZMYD4	N0ZMYD5	N0ZMYD6	N0ZMYD7	N0ZMYD8
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

-

-

-

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	-	-	-

ZMXIN1　180088H

-	-	-	-	-	-	-	-
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

N1ZMXI2

N1ZMXI1

N1ZMXI0

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	N1ZMXI2	N1ZMXI1	N1ZMXI0

ZMXDN1　18008AH

N1ZMXD1	N1ZMXD2	N1ZMXD3	N1ZMXD4	N1ZMXD5	N1ZMXD6	N1ZMXD7	N1ZMXD8
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

-

-

-

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	-	-	-

ZMYIN1　18008CH

-	-	-	-	-	-	-	-
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

N1ZMYI2

N1ZMYI1

N1ZMYI0

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	N1ZMYI2	N1ZMYI1	N1ZMYI0

ZMYDN1　18008EH

N1ZMYD1	N1ZMYD2	N1ZMYD3	N1ZMYD4	N1ZMYD5	N1ZMYD6	N1ZMYD7	N1ZMYD8
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

-

-

-

座標増分ビット：Zoom bit

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	-	-	-

(N0ZMXI2〜N0ZMXI0, N0ZMXD1〜N0ZMXD8, N0ZMYI2〜N0ZMYI0, N0ZMYD1〜N0ZMYD8, N1ZMXI2〜N1ZMXI0, N1ZMXD1〜N1ZMXD8, N1ZMYI2〜N1ZMYI0, N1ZMYD1〜N1ZMYD8) 　各ノーマルスクロール画面の拡大縮小をする場合に、表示座標を計算するための水平、垂直方向の座標増分を指定します。

N0ZMXI2〜N0ZMXI0	180078H	ビット2〜0	NBG0水平方向用（整数部）
N0ZMXD1〜N0ZMXD8	18007AH	ビット15〜8	NBG0水平方向用（小数部）
N0ZMYI2〜N0ZMYI0	18007CH	ビット2〜0	NBG0垂直方向用（整数部）
N0ZMYD1〜N0ZMYD8	18007EH	ビット15〜8	NBG0垂直方向用（小数部）
N1ZMXI2〜N1ZMXI0	180088H	ビット2〜0	NBG1水平方向用（整数部）
N1ZMXD1〜N1ZMXD8	18008AH	ビット15〜8	NBG1水平方向用（小数部）
N1ZMYI2〜N1ZMYI0	18008CH	ビット2〜0	NBG1垂直方向用（整数部）
N1ZMYD1〜N1ZMYD8	18008EH	ビット15〜8	NBG1垂直方向用（小数部）

　拡大表示をするには座標増分を1より小さい値に、縮小表示をするには座標増分を1より大きい値にしてください。座標増分が1のときは、通常表示になります。指定はすべて正の値で指定します。NBG2とNBG3の座標増分は1に固定されています。
　水平帰線期間中に値を変更することによって、画面途中から座標増分値を変えることもできます。
　水平方向の縮小表示をする場合には、縮小イネーブルレジスタの設定が必要です。水平方向の座標増分を、縮小イネーブルビットの設定によって決まる設定範囲以外の値に設定しないでください。水平方向の座標増分と縮小設定を表5.1に示します。

表5.1　水平方向の座標増分と縮小設定

水平方向の縮小表示設定	水平方向座標増分の設定範囲
不　　可	0≦（水平方向座標増分）≦1
1／2まで可能	0≦（水平方向座標増分）≦2
1／4まで可能	0≦（水平方向座標増分）≦4

　●縮小イネーブルレジスタ

　縮小イネーブルレジスタは、水平方向の縮小表示を制御します。書き込み専用の16ビットのレジスタで、180098H番地にあります。電源投入後またはリセット後、値は0にクリアされますので必ず設定してください。

ZMCTL　180098H

-	-	-	-	-	-	N1ZMQT	N1ZMHF
15	14	13	12	11	10	09	08

07
06
05
04
03
02
01
00

-

-

-

-

-

-

N0ZMQT

N0ZMHF

縮小イネーブルビット：Zoom quarter/half bit (N1ZMQT, N1ZMHF, N0ZMQT, N0ZMHF)

07	06	05	04	03	02	01	00
-	-	-	-	-	-	N0ZMQT	N0ZMHF

　各ノーマルスクロール画面の水平方向の最大縮小可能範囲を指定します。

N0ZMHF	180098H	ビット0	NBG0用
N0ZMQT	180098H	ビット1	NBG0用
N1ZMHF	180098H	ビット8	NBG1用
N1ZMQT	180098H	ビット9	NBG1用

NxZMQT	NxZMHF	水平方向の縮小表示	制限事項
0	0	不可	なし
0	1	1/2まで可能	キャラクタ色数が16色または256色の場合にのみ設定可
1	0	1/4まで可能	キャラクタ色数が16色の場合にのみ設定可
1	1	1/4まで可能	キャラクタ色数が16色の場合にのみ設定可

[注]ビット名のxには、0または1が入ります。

　1/2までの縮小は、対応する画面のキャラクタ色数(ビットマップパターン色数)を16色または256色に設定してください。1/4までの縮小は、16色に設定してください。
　水平方向座標増分は、これらのビットの設定範囲を越えないようにしてください。

　縮小設定によっては表示できなくなる画面があります。制限を表5.2に示します。

表5.2　縮小イネーブルビットの設定による表示画面の制限

画面	キャラクタ色数（ビットマップパターン色数）	縮小イネーブル設定	表示できなくなる画面
NBG0	16色	1/2まで可能	なし
	16色	1/4まで可能	NBG2
	256色	1/2まで可能	NBG2
NBG1	16色	1/2まで可能	なし
	16色	1/4まで可能	NBG3
	256色	1/2まで可能	NBG3

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■5.2 拡大縮小機能

●座標増分レジスタ

●縮小イネーブルレジスタ

■5.2　拡大縮小機能

　●座標増分レジスタ

　●縮小イネーブルレジスタ