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HARDWARE ManualVDP2ユーザーズマニュアル第5章 ノーマルスクロール画面
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VDP2ユーザーズマニュアル/第5章 ノーマルスクロール画面

■5.3 ライン&縦セルスクロール機能

 ノーマルスクロール画面の中で、NBG0とNBG1にはラインスクロール機能と縦セルスクロール機能があります。ラインスクロール機能は、水平方向と垂直方向の画面スクロール値と水平方向の座標増分をライン単位で指定するものです。縦セルスクロール機能は、垂直方向の画面スクロール値を水平方向のセル単位で指定するものです。どちらの機能もセル形式、ビットマップ形式に関係なく使うことができます。

 ●ラインスクロール機能

 ラインスクロール機能は、水平方向と垂直方向の画面スクロール値と水平方向の座標増分をライン単位で指定できる機能で、VRAMに格納したラインスクロールテーブルで指定します。ラインスクロールテーブルのデータ値は相対値で指定します。ラインスクロールテーブルに格納された画面スクロール値に、画面スクロール値レジスタで指定した値が加えられて表示座標となります。テーブルデータを読み出す間隔は、1ライン、2ライン、4ライン、8ラインの4種類から選択することができ、2ライン以上の間隔を選択した場合の垂直方向の座標計算には、垂直方向の座標増分レジスタの値が使用されます。
 水平方向の座標増分は縮小イネーブルレジスタの設定を越えた値を設定しないでください。ラインスクロール機能を、図5.3に示します。

図5.3 ラインスクロール機能
 ラインスクロールテーブル(VRAM)       水平方向の座標増分         
                           → → → →   スクロール画面
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓     ┏━┯━┯━┯━┯━┯━┯━     
┃1ライン目の水平方向画面スクロール値┃┐┌──→┃ │ │ │ │ │ │ 1ライン目
┠──────────────────┨││   ┣━┿━┿━┿━┿━┿━┿━     
┃1ライン目の垂直方向画面スクロール値┃├┘┌─→┃ │ │ │ │ │ │ 2ライン目
┠──────────────────┨│ │  ┣━┿━┿━┿━┿━┿━┿━     
┃1ライン目の水平方向座標増分    ┃┘ │  ┃ │ │ │ │ │ │ 3ライン目
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫  │  ┣━┿━┿━┿━┿━┿━┿━     
┃2ライン目の水平方向画面スクロール値┃┐ │  ┃ │ │ │ │ │ │ 4ライン目
┠──────────────────┨│ │  ┣━┿━┿━┿━┿━┿━┿━     
┃2ライン目の垂直方向画面スクロール値┃├─┘  ┃ │ │ │ │ │ │ 5ライン目
┠──────────────────┨│    ┣━┿━┿━┿━┿━┿━┿━     
┃2ライン目の水平方向座標増分    ┃┘    ┃ │ │ │ │ │ │      
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫                        

 ラインスクロールテーブルには、アドレスの小さい方から、水平方向の画面スクロール値、垂直方向の画面スクロール値、水平方向の座標増分の順に格納します。格納するラインスクロールデータは、ラインスクロールレジスタの設定に従って必要とするデータだけで構成されます。
 ラインスクロールテーブル上の個々の、水平方向画面スクロール値、垂直方向画面スクロール値、水平方向座標増分の構成は、各レジスタに設定するデータの構成と同じです。 ラインスクロールテーブルデータのビット構成を図5.4に、ラインスクロールテーブルの構成を図5.5に示します。

図5.4 ラインスクロールテーブルデータのビット構成
●水平方向および垂直方向画面スクロール値レジスタ            
ビット F E D C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 
   ┌─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
+0H│−│−│−│−│−┃     整 数 部(11ビット)    │
   └─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                    
ビット F E D C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 
   ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
+2H│   小数部(8ビット)   ┃−│−│−│−│−│−│−│−│
   └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                    
●水平方向座標増分                           
ビット F E D C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 
   ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
+0H│−│−│−│−│−│−│−│−│−│−│−│−│−│ 整数部 │
   └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                    
ビット F E D C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 
   ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
+2H│   小数部(8ビット)   ┃−│−│−│−│−│−│−│−│
   └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                    
[注]「−」は無視されます                       
図5.5 ラインスクロールテーブル例
●水平方向および垂直方向画面スクロール値、水平方向座標増分を1ラインごとに指定した場合
                                         
                    ラインスクロールテーブル(VRAM)   
                MSB                   LSB
                ┌─────────────────────────┐
ラインスクロール ─→ +00H│1ライン目の水平方向画面スクロール値(整数部)  │
テーブルアドレス        ├─────────────────────────┤
            +02H│1ライン目の水平方向画面スクロール値(小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +04H│1ライン目の垂直方向画面スクロール値(整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +06H│1ライン目の垂直方向画面スクロール値(小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +08H│1ライン目の水平方向座標増分    (整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +0AH│1ライン目の水平方向座標増分    (小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +0CH│2ライン目の水平方向画面スクロール値(整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +0EH│2ライン目の水平方向画面スクロール値(小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +10H│2ライン目の垂直方向画面スクロール値(整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +12H│2ライン目の垂直方向画面スクロール値(小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +14H│2ライン目の水平方向座標増分    (整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +16H│2ライン目の水平方向座標増分    (小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
●垂直方向画面スクロール値、水平方向座標増分を2ラインごとに指定した場合
                                         
                    ラインスクロールテーブル(VRAM)   
                MSB                   LSB
                ┌─────────────────────────┐
ラインスクロール ─→ +00H│1ライン目の垂直方向画面スクロール値(整数部)  │
テーブルアドレス        ├─────────────────────────┤
            +02H│1ライン目の垂直方向画面スクロール値(小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +04H│1、2ライン目の水平方向座標増分  (整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +06H│1、2ライン目の水平方向座標増分  (小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +08H│3ライン目の垂直方向画面スクロール値(整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +0AH│3ライン目の垂直方向画面スクロール値(小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +0CH│3、4ライン目の水平方向座標増分  (整数部)  │
                ├─────────────────────────┤
            +0EH│3、4ライン目の水平方向座標増分  (小数部)  │
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
                                         
             [注]指定したライン以外のラインの垂直方向の表示座標は、
                指定したラインの垂直方向画面スクロール値に垂直方向
                座標増分を加えたものになります。         
●水平方向画面スクロール値および水平方向座標増分を4ラインごとに指定した場合
  (垂直方向ラインスクロールなし)
                                         
                    ラインスクロールテーブル(VRAM)   
                MSB                   LSB
                ┌─────────────────────────┐
ラインスクロール ─→ +00H│1〜4ライン目の水平方向画面スクロール値(整数部)│
テーブルアドレス        ├─────────────────────────┤
            +02H│1〜4ライン目の水平方向画面スクロール値(小数部)│
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +04H│1〜4ライン目の水平方向座標増分    (整数部)│
                ├─────────────────────────┤
            +06H│1〜4ライン目の水平方向座標増分    (小数部)│
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +08H│5〜8ライン目の水平方向画面スクロール値(整数部)│
                ├─────────────────────────┤
            +0AH│5〜8ライン目の水平方向画面スクロール値(小数部)│
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
            +0CH│5〜8ライン目の水平方向座標増分    (整数部)│
                ├─────────────────────────┤
            +0EH│5〜8ライン目の水平方向座標増分    (小数部)│
                ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥

 ●縦セルスクロール機能

 縦セルスクロール機能は、垂直方向の画面スクロール値を、水平方向のセル単位で縦に区切ったエリアごとに指定できる機能で、VRAMに格納した縦セルスクロールテーブルで指定します。縦セルスクロールテーブルのデータ値は相対値で指定します。縦セルスクロールテーブルに格納された画面スクロール値に、画面スクロール値レジスタで指定した値が加えられて表示座標となります。ビットマップ形式で表示する場合は、水平方向に8ドット単位で指定できます。
 ノーマルスクロール画面の中で、縦セルスクロール機能があるのはNBG0とNBG1だけです。この縦セルスクロール機能とモザイク機能は同時に使用できず、モザイク機能が優先されます。
 縦セルスクロール機能を図5.6に示します。

図5.6 縦セルスクロール機能
 縦セルスクロールテーブル(VRAM)                        
┌─────────────────┐                        
│1セル目の垂直方向画面スクロール値│──┐                     
├─────────────────┤  │                     
│2セル目の垂直方向画面スクロール値│──┼─┐                   
├─────────────────┤  │ │                   
│3セル目の垂直方向画面スクロール値│──┼─┼─┐                 
├─────────────────┤  │ │ │                 
                  │  │ │ │                 
                     ↓ ↓ ↓                 
                    │ │ │ │ │ │ │ │ │      
                   ─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─     
                    │┏┿━┿━┿━┿━┿━┿━┿━┿━━TV画面
                   ─┼╂┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─     
                    │┃│ │ │ │ │ │ │ │      
                   ─┼╂┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─     
                    │┃│ │ │ │ │ │ │ │      
                   ─┼╂┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─     
                    │┃│ │ │ │ │ │ │ │      
                   ─┼╂┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─     
                    │┃│ │ │ │ │ │ │ │      
                   ─┼╂┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─     
                     ┃                     
                    ├─┤                    
                     ↑                     
                   1セル目の垂直方向画面スクロール値有効エリア  
 垂直方向画面スクロール値のビット構成は、各レジスタに設定するときと同じになります。また、縦セルスクロールテーブルのデータは、TV画面の左側のセルに対するデータから順番にテーブルとします。
 NBG0とNBG1のどちらも縦セルスクロール機能を使用する場合、それぞれの縦セルスクロールテーブルデータは、NBG0用、NBG1用の順番で1セル分ずつ交互に格納してください。

 縦セルスクロールテーブルデータのビット構成を図5.7に、縦セルスクロールテーブルの構成を図5.8に示します。

図5.7 縦セルスクロールテーブル上のデータ構成
●垂直方向画面スクロール値                       
ビット F E D C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 
   ┌─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
+0H│−│−│−│−│−┃     整 数 部(11ビット)    │
   └─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                    
ビット F E D C B A 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 
   ┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┰─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
+2H│   小数部(8ビット)   ┃−│−│−│−│−│−│−│−│
   └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┸─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
                                    
[注]「−」は無視されます                       
図5.8 縦セルスクロールテーブル例
●NBG0のみ縦セルスクロールをする場合
                                           
                    縦セルスクロールテーブル(VRAM)     
               MSB                      LSB
               ┌──────────────────────────┐
縦セルスクロール → +00H│NBG0の1セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
テーブルアドレス       ├──────────────────────────┤
           +02H│NBG0の1セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +04H│NBG0の2セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +06H│NBG0の2セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +08H│NBG0の3セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +0AH│NBG0の3セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +0CH│NBG0の4セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +0EH│NBG0の4セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +10H│NBG0の5セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +12H│NBG0の5セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
●NBG1のみ縦セルスクロールをする場合
                                           
                    縦セルスクロールテーブル(VRAM)     
               MSB                      LSB
               ┌──────────────────────────┐
縦セルスクロール → +00H│NBG1の1セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
テーブルアドレス       ├──────────────────────────┤
           +02H│NBG1の1セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +04H│NBG1の2セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +06H│NBG1の2セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +08H│NBG1の3セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +0AH│NBG1の3セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +0CH│NBG1の4セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +0EH│NBG1の4セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +10H│NBG1の5セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +12H│NBG1の5セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
●NBG0、NBG1の縦セルスクロールをする場合
                                           
                    縦セルスクロールテーブル(VRAM)     
               MSB                      LSB
               ┌──────────────────────────┐
縦セルスクロール → +00H│NBG0の1セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
テーブルアドレス       ├──────────────────────────┤
           +02H│NBG0の1セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +04H│NBG1の1セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +06H│NBG1の1セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +08H│NBG0の2セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +0AH│NBG0の2セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +0CH│NBG1の2セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +0EH│NBG1の2セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥
           +10H│NBG0の3セル目の垂直方向画面スクロール値・整数部│
               ├──────────────────────────┤
           +12H│NBG0の3セル目の垂直方向画面スクロール値・小数部│
               ┝━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┥

 ●ライン&縦セルスクロールコントロールレジスタ

 ライン&縦セルスクロールコントロールレジスタは、ラインスクロール機能および縦セルスクロール機能を制御します。書き込み専用の16ビットのレジスタで、18009AH番地にあります。電源投入後またはリセット後、値は0にクリアされますので必ず設定してください。

SCRCTL 18009AH
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
   -   
   -   
N1LSS1 
N1LSS0 
N1LZMX 
N1LSCY 
N1LSCX 
N1VCSC 

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
   -   
   -   
N0LSS1 
N0LSS0 
N0LZMX 
N0LSCY 
N0LSCX 
N0VCSC 

   
ラインスクロール間隔ビット:Line scroll select bit (N0LSS1, N0LSS0, N1LSS1, N1LSS0)
 ラインスクロールテーブルデータをテーブルから読み出す間隔を指定します。その間隔は、TV画面のインタレース設定によって変わります。

N0LSS1,N0LSS018009AHビット5,4NBG0用
N1LSS1,N1LSS018009AHビット13,12NBG1用

NxLSS1NxLSS0インタレース設定
ノンインタレース単密インタレース倍密インタレース
0
0
1ラインごと2ラインごと1ラインごと
0
1
2ラインごと4ラインごと2ラインごと
1
0
4ラインごと8ラインごと4ラインごと
1
1
8ラインごと16ラインごと8ラインごと
[注]ビット名のxには、0または1が入ります。

 ラインスクロールテーブルのデータを2ライン以上の間隔で読み出す場合、読み出さないラインの水平方向の画面スクロール値と水平方向の座標増分は、その前に読み出したラインスクロールデータが使われます。また、垂直方向の画面スクロール値は、その前に読み出したラインスクロールデータと垂直方向の座標増分レジスタの値から計算されます。

   
ラインズームイネーブルビット:Line zoom X enable bit (N1LZMX, N0LZMX)
 水平方向にライン単位で拡大縮小を行うかどうかを指定します。

N0LZMX18009AHビット3NBG0用
N1LZMX18009AHビット11NBG1用

NxLZMX処 理
0
水平方向にライン単位で拡大縮小を行いません
1
水平方向にライン単位で拡大縮小を行います
[注]ビット名のxには、0または1が入ります。

 この機能を使う場合には、必ず、水平方向の座標増分をVRAMのラインスクロールテーブルに格納してください。水平方向の座標増分は、縮小設定を超えないようにしてください。

   
ラインスクロールイネーブルビット(垂直方向画面スクロール値用):Line scroll Y enable bit
(N1LSCY, N0LSCY)
 垂直方向にライン単位でスクロールを行うかどうかを指定します。

N0LSCY18009AHビット2NBG0用
N1LSCY18009AHビット10NBG1用

NxLSCY処 理
0
垂直方向にライン単位でスクロールを行いません
1
垂直方向にライン単位でスクロールを行います
[注]ビット名のxには、0または1が入ります。

 この機能を使う場合には、必ず、垂直方向の画面スクロール値をVRAMのラインスクロールテーブルに格納してください。

   
ラインスクロールイネーブルビット(水平方向画面スクロール値用):Line scroll X enable bit
(N1LSCX, N0LSCX)
 水平方向にライン単位でスクロールを行うかどうかを指定します。

N0LSCX18009AHビット1NBG0用
N1LSCX18009AHビット9NBG1用

NxLSCX処 理
0
水平方向にライン単位でスクロールを行いません
1
水平方向にライン単位でスクロールを行います
[注]ビット名のxには、0または1が入ります。

 この機能を使う場合には、必ず、水平方向の画面スクロール値をVRAMのラインスクロールテーブルに格納してください。

   

縦セルスクロールイネーブルビット:Vertical cell scroll enable bit
(N1VCSC, N0VCSC)
縦セルスクロールを行うかどうかを指定します。

N0VCSC18009AHビット0NBG0用
N1VCSC18009AHビット8NBG1用

NxVCSC処理
0
縦セルスクロールを行いません
1
縦セルスクロールを行います
[注]ビット名のxには、0または1が入ります。

 縦セルスクロール機能を使う場合には、必ずVRAMサイクルパターンレジスタに、縦セルスクロールテーブルデータリードのアクセスコマンドを指定してください。また、必ず縦セルスクロールデータをVRAMに格納してください。
 縦セルスクロール機能は、モザイク機能と同時に使用することはできず、モザイク機能が優先されます。

縦スクロール機能の制限事項
 縦セルスクロール機能を使用する状態(ON)から使用しない状態(OFF)に変更 するとき、すなわち縦セルスクロールイネーブルビット(N0VCSC,N1VCSC)を「1」→「0」 にする場合、VRAMサイクルパターンレジスタに設定しているNBG0用または、NBG1用縦セルスクロールテーブルデータリード のアクセスコマンド(ChまたはDh)も同じVブランク期間中に「アクセスしない」というアクセスコマンド(Fh)に 変更する必要があります。

また、この制限事項は、NBG0とNBG1の縦セルスクロール機能を同時に使用している状態から、 どちらか一方の縦セルスクロール機能を使用しない状態へ変化させるときにも守らなければいけません。

制限事項の実施例

 例1:NBG0の縦セルスクロール機能を使用している場合

縦セルスクロール機能を使用しているときの設定が、次のようになっている場合

<設定>

この状態からNBG0の縦セルスクロール機能を使用しない状態するには、 同じVブランク期間中で以下の設定に変更します。

<設定>

 例2:NBG0とNBG1の縦セルスクロール機能を同時に使用している場合

縦セルスクロール機能を使用しているときの設定が、次のようになっている場合

<設定>

この状態からNBG1の縦セルスクロール機能だけを使用しない状態するには、 同じVブランク期間中で以下の設定に変更します。

<設定>

 ●ラインスクロールテーブルアドレスレジスタ

 ラインスクロールテーブルアドレスレジスタは、ラインスクロールテーブルの先頭アドレスを指定します。書き込み専用の32ビットのレジスタで、1800A0H〜1800A6H番地にあります。電源投入後またはリセット後、値は0にクリアされますので必ず設定してください。

LSTA0U 1800A0H
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
N0LSTA18
N0LSTA17
N0LSTA16

LSTA0L 1800A2H
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
N0LSTA15
N0LSTA14
N0LSTA13
N0LSTA12
N0LSTA11
N0LSTA10
N0LSTA9 
N0LSTA8 

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
N0LSTA7 
N0LSTA6 
N0LSTA5 
N0LSTA4 
N0LSTA3 
N0LSTA2 
N0LSTA1 
   -    

LSTA1U 1800A4H
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
   -    
   -    
   -    
   -    
   -    
N1LSTA18
N1LSTA17
N1LSTA16

LSTA1L 1800A6H
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
N1LSTA15
N1LSTA14
N1LSTA13
N1LSTA12
N1LSTA11
N1LSTA10
N1LSTA9 
N1LSTA8 

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
N1LSTA7 
N1LSTA6 
N1LSTA5 
N1LSTA4 
N1LSTA3 
N1LSTA2 
N1LSTA1 
   -    

   
ラインスクロールテーブルアドレスビット:Line scroll table address bit
(N0LSTA18〜N0LSTA16, N0LSTA15〜N0LSTA1, N1LSTA18〜N1LSTA16, N1LSTA15〜N1LSTA1)
 VRAM上のラインスクロールテーブルの先頭アドレスを指定します。

N0LSTA18〜N0LSTA161800A0Hビット2〜0NBG0用(上位ビット)
N0LSTA15〜N0LSTA11800A2Hビット15〜1NBG0用(下位ビット)
N1LSTA18〜N1LSTA161800A4Hビット2〜0NBG1用(上位ビット)
N1LSTA15〜N1LSTA11800A6Hビット15〜1NBG1用(下位ビット)

 実際の先頭VRAMアドレスは、次の式で計算されます。VRAM容量が4Mビットの場合は、アドレスの最上位ビットは無視されます。

(ラインスクロールテーブル先頭アドレス)=(ラインスクロールテーブルアドレスレジスタ値18ビット)×4H

 ●縦セルスクロールテーブルアドレスレジスタ

 縦セルスクロールテーブルアドレスレジスタは、縦セルスクロールテーブルの先頭アドレスを指定します。書き込み専用の32ビットのレジスタで、18009CH〜18009EH番地にあります。電源投入後またはリセット後、値は0にクリアされますので必ず設定してください。

VCSTAU 18009CH
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
   -   
   -   
   -   
   -   
   -   
   -   
   -   
   -   

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
   -   
   -   
   -   
   -   
   -   
VCSTA18
VCSTA17
VCSTA16

VCSTAL 18009EH
   15   
   14   
   13   
   12   
   11   
   10   
   09   
   08   
VCSTA15
VCSTA14
VCSTA13
VCSTA12
VCSTA11
VCSTA10
VCSTA9 
VCSTA8 

   07   
   06   
   05   
   04   
   03   
   02   
   01   
   00   
VCSTA7 
VCSTA6 
VCSTA5 
VCSTA4 
VCSTA3 
VCSTA2 
VCSTA1 
   -   

 
縦セルスクロールテーブルアドレスビット:Vertical cell scroll table address bit (VCSTA18〜VCSTA1)
 VRAM上の縦セルスクロールテーブルの先頭アドレスを指定します。

VCSTA18〜VCSTA1618009CHビット2〜0          
VCSTA15〜VCSTA118009EHビット15〜1          

 実際の先頭VRAMアドレスは、次の式で計算されます。VRAM容量が4Mビットの場合は、アドレスの最上位ビットは無視されます。

(縦セルスクロールテーブル先頭アドレス)      =(縦セルスクロールテーブルアドレスレジスタ値18ビット)×4H


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HARDWARE Manual VDP2ユーザーズマニュアル第5章 ノーマルスクロール画面
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