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DISCフォーマット規格仕様書

DISC論理フォーマット


■概要

 CD-ROMエリア、CD-ROM XAエリアはシステムエリアとデータエリアから構成されます。
 データエリアの先頭にはディスクのボリューム/ファイル構造を記述するためのボリューム記述子集合、ディレクトリ、パステーブルが記録されます。(図3.1)
 システムエリア、ボリューム記述子集合、ルートディレクトリ、パステーブルは必ずMode1トラックに記録します。

図3.1 CD-ROMエリア、CD-ROM XAエリアの概要

■ボリューム/ファイル構造

 ●概要
 ボリューム/ファイル構造は、ISO9660に準拠しています。
 ディレクトリレコードのシステム用領域に情報が追加されています。

 ●データ型を表す略号
 ボリューム/ファイル構造を表記するために以下の略号を使用します。

表3.1 データ型を表す略号
 略 号 
型  名
説  明
N
Numeric Value
8ビットバイナリ数値
NL
Least Significant Byte First
LSBF表記16/32ビットバイナリ数値
例)16進数1234→34 12のように記録されます
NM
MostSignificant Byte First
MSBF表記16/32ビットバイナリ数値
例)16進数1234→12 34のように記録されます
NB
Both-type orders
LSBF表記+MSBF表記
例)16進数 1234→34 12 12 34 と記録されます
ND
Any digit from ZERO-NINE
10進数表記の数値
A
A-characters
ASCII文字列(20-22/25-3F/41-5A/5F)
D
D-characters
ディレクトリ用文字列(30-3F/41-5A/5F)
DS
D-characters, SEPARATOR1,
SEPARATOR2
D-characters+'.;'(2E/3B)
DE
Directory Entry
ディレクトリエントリ形式
A1
A1-characters
A-characters+Kanji
D1
D1-characters
D-characters+Kanji
D1S
D1-characters,SEPARATOR1,
SEPARATOR2
D1-characters+'.;'(2E/3B)
00
Zero fill
未使用、予約領域等を(00)で埋めます

図3.2 CD-ROM(ISO9660)におけるファイル管理のデータ構造

■ボリューム記述子集合(Volume Descriptor Set)

 ボリューム記述子集合は、論理セクタ番号16(FAD=166)からの連続したセクタに記録されたボリューム記述子の集まりです。
 ボリューム記述子には以下の5種類があります。このうちボリューム区画記述子は使用しません。

図3.3 ボリューム記述子

 ●ブートレコード

表3.2 ブートレコードの構造
バイト位置
フィールド名称
説  明
 1     
2〜 6
7 
8〜 39
40〜 71
71〜2048
N

N
A
A

Volume Descriptor Type
Standard Identifier
Volume Descriptor Version
Boot System Identifier
Boot Identifier
Boot System Use
ボリューム記述子型
規格識別子‘CD001’
ボリューム記述子版数
ブートシステム識別子
ブート識別子
規定しません

通常のGAME-CDでは、基本ボリューム記述子とボリューム記述子集合終端子がそれぞれ1セクタずつ記録されます。
この2セクタは必ず記録されていなければなりません。

副ボリューム記述子とブートレコードは、使用方法をよく理解したうえでご利用ください。

 ●基本ボリューム記述子(Primary Volume Descriptor)
 ボリューム記述子集合は、1個の基本ボリューム記述子を含みます。基本ボリューム記述子は、ボリューム属性、ルートディレクトリの位置、パステーブル群の位置などを記述します。
 基本ボリューム記述子の詳細を表3.3に示します。

表3.3 基本ボリューム記述子の構造
バイト位置
 型 
フィールド名称
説  明
   1     
2〜 6
7 
8 
9〜 40
41〜 72
73〜 80
81〜 88
89〜 120
121〜 124
125〜 128
129〜 132
133〜 140
141〜 144
 
145〜 148
 
149〜 152
 
153〜 156
 
157〜 190
191〜 318
319〜 446
447〜 574
575〜 702
703〜 739
740〜 776
777〜 813
814〜 830
831〜 847
848〜 864
865〜 881
882 
883 
884〜1395
1396〜2048
N

N
00
A
D
00
NB
00
NB
NB
NB
NB
NL

NL

NM

NM

DE
D
A
A
A
DS
DS
DS
ND
ND
ND
ND
N
00

Volume Descriptor Type
Standard Identifier
Volume Descriptor Version
Unused Field
System Identifier
Volume Identifier
Unused Field
Volume Space Size
Unused Field
Volume Set Size
Volume Sequence Number
Logical Block Size
Path Table Size
Location of Occurence of
Type L Path Table
Location of Optional
Occurence of Type L Path Table
Location of Occurence of
Type M Path Table
Location of Optional Occurence of
Type M Path Table
Directory Record for Root Directory
Volume Set Identifier
Publisher Identifier
Data Preparer Identifier
Application Identifier
Copyright File Identifier
Abstract File Identifier
Bibliographic File Identifier
Volume Creation Date and Time
Volume Modification Date and Time
Volume Expiration Date and Time
Volume Effective Date and Time
File Structure Version
Reserved for future standardization
Application Use
Reserved for future standardization
ボリューム記述子型    =01
規格識別子'CD001'
ボリューム記述子版数
未使用
LSN 0〜15を使用するシステム
ボリューム名
未使用
ボリューム全体のセクタ数
未使用
マルチボリューム時のボリューム数=1
マルチボリューム時のボリューム通番
論理ブロック長
パステーブル全体のバイト数
LSBF表記のパステーブルの位置

予備

MSBF表記のパステーブルの位置

予備

ルートディレクトリのディレクトリレコード
マルチボリューム時の全体の名称
出版者識別子
データ編集者識別子
データ利用方法に関する識別
著作権ファイル名
抄録(要約)ファイル名
書誌ファイル名
作成日付、時刻
更新日付、時刻
失効日付、時刻
発効日付、時刻
ファイル構造版数
将来の標準化用に確保
CD-ROM XA規格に準拠
将来の標準化用に確保

 CD-ROM XA規格では、以下の領域がディスクラベルとして規定されています。

表3.4 CD-ROM XAでのディスクラベル
バイト位置
フィールド名称
説  明
1025〜1032
1033〜1034
1035〜1042
1043〜1050
 

D
00
Identifying Signature
CD-ROM XA Flags
Startup Directory
Reserved
'CD-XA001'
予約領域
起動ディレクトリ名
予約領域

 ●副ボリューム記述子(Supplementary Volume Descriptor)
 ボリューム記述子集合は、任意の個数の副ボリューム記述子を含みます。副ボリューム記述子は、ボリューム属性、ルートディレクトリの位置、パステーブル群の位置などを記述します。
 ボリューム名、出版者識別子などの識別子に日本語を使用する場合に副ボリューム記述子に記録します。副ボリューム記述子の詳細を表3.5に示します。

表3.5 副ボリューム記述子の構造
バイト位置
フィールド名称
説  明
   1
2〜 6
7
8
9〜 40
41〜 72
73〜 80
81〜 88
89〜 120
121〜 124
125〜 128
129〜 132
133〜 140
141〜 144

145〜 148

149〜 152

153〜 156

157〜 190
191〜 318
319〜 446
447〜 574
575〜 702
703〜 739
740〜 776
777〜 813
814〜 830
831〜 847
848〜 864
865〜 881
882
883
884〜1395
1396〜2048
N

N

A1
D1
00
NB
00
NB
NB
NB
NB
NL

NL

NM

NM

DE
D1
A1
A1
A1
D1S
D1S
D1S
ND
ND
ND
ND
N
00

Volume Descriptor Type
Standard Identifier
Volume Descriptor Version
Volume Flag
System Identifier
Volume Identifier
Unused Field
Volume Space Size
Unused Field
Volume Set Size
Volume Sequence Number
Logical Block Size
Path Table Size
Location of Occurence of
Type L Path Table
Location of Optional
Occurence of Type L Path Table
Location of Occurence of
Type M Path Table
Location of Optional Occurence of
Type M Path Table
Directory Record for Root Directory
Volume Set Identifier
Publisher Identifier
Data Preparer Identifier
Application Identifier
Copyright File Identifier
Abstract File Identifier
Bibliographic File Identifier
Volume Creation Date and Time
Volume Modification Date and Time
Volume Expiration Date and Time
Volume Effective Date and Time
File Structure Version
Reserved for future standardization
Application Use
Reserved for future standardization
ボリューム記述子型
規格識別子'CD001'
ボリューム記述子版数
ボリュームフラグ
LSN 0〜15を使用するシステム
ボリューム名
未使用
ボリューム全体のセクタ数
未使用
マルチボリューム時のボリューム数=1
マルチボリューム時のボリューム通番
論理ブロック長
パステーブル全体のバイト数
LSBF表記のパステーブルの位置

予備

MSBF表記のパステーブルの位置

予備

ルートディレクトリのディレクトリレコード
マルチボリューム時の全体の名称
出版者識別子
データ編集者識別子
データ利用方法に関する識別
著作権ファイル名
抄録(要約)ファイル名
書誌ファイル名
作成日付、時刻
更新日付、時刻
失効日付、時刻
発効日付、時刻
ファイル構造版数
将来の標準化用に確保
規定しません
将来の標準化用に確保

■ディレクトリ

 ディレクトリは複数のディレクトリレコードから成る1個のファイルとして記録されます。個々のディレクトリレコードはファイル識別によって、同一ディレクトリ内で一意に識別されます。
 ファイル識別は、ファイル名またはディレクトリ名を表し以下の形式で格納されます。

            8文字以内                     
            |   3文字以内、省略可             
            |   |  1〜32767の数字(常に1とします)
            ↓   ↓  ↓                  
ファイル識別 → ファイル名.拡張子;版数                 
       ↑      ↑   ↑                   
       |      |   区切文字2「セミコロン」        
       |      区切文字数1「ピリオド」            
       |                              
       ディレクトリ名:8文字以内                  
      (ルートディレクトリは1バイト00Hとします)           

表3.6 ディレクトリレコード
バイト位置
フィールド名称
説  明
 1  
2  
3〜10
11〜18
19〜25
26
27
28
29〜32
33
34〜 
(33+LEN_FI)

34+LEN_FI
N
N
NB
NB
N

N
N
NB
N
D1S


00
Length of Directory Record
Extended Attribute Record Length
Location of Extent
Data Length
Recording Date and Time
File Flags
File Unit Size
Interleave Gap Size
Volume Sequence Number
Length of File Identifier
File Identifier


Padding Field
System Use
ディレクトリレコードの長さ
拡張属性レコードの長さ
エクステントの位置(LSN)
データ長
記録日付・時刻
ファイルフラグ
ファイルユニットの大きさ
インタリーブギャップの大きさ
ボリューム順序番号
ファイル識別の長さ
ファイル識別
・ファイル名.拡張子;版数
・ディレクトリ名
埋め込み
システム用情報

 ●記録日付・時刻の形式

表3.7 記録日付・時刻の形式
バイト位置
フィールド名称
説  明
1
2
3
4
5
6
7

N
N
N
N
N
N
N

Number of years since 1900
Month of the year from 1 to 12
Day of the month from 1 to 31
Hour of the day from 0 to 23
Minute of the hour from 0 to 59
Second of the minute from 0 to 59
Offset from Greenwich Mean Time
in number of 15 min intervals
from-48 (West) to +52 (East)
1900年からの年数





グリニッチ標準時からの差分
15分単位に-48(西)から+52(東)

 ●ファイルフラグ

表3.8 ファイルフラグ
ビット位置
フィールド名称
説  明
0
1
2
3
4
5
6
7
Existence
Directory
Associated File
Record
Protection
Reserved
Reserved
Multi-Extent
不可視ファイル
ディレクトリファイル
関連ファイル(=0)
拡張属性レコード構造ファイル
保護ファイル(=0)


複数エクステントファイル(=0)

 ●ファイル識別
 ファイルフラグのディレクトリビット(ビット1)の値にしたがってファイル名またはディレクトリ名が格納されます。
 Directoryビット=0:ファイルに対する識別情報を指定します。

表3.9 ファイル識別
Directoryビットの値
形  式
説  明
0
ファイル名.拡張子;版数番号
《例》aaaaaaaa.bbb;1
xxxxxxxx;1
ファイル名:8文字以内
拡張子 :3文字以内(省略可)
版数番号 :常に1とする
1
ディレクトリ名
ディレクトリ名:8文字以内
ルートディレクトリは1バイト00Hとします

 ファイル識別の長さが偶数の場合には1バイト(00H)が埋め込み挿入されます。

 ●システム用情報
 ISO9660規格に対して以下の拡張がされます。

表3.10 システム用情報
バイト位置
フィールド名称
説  明
 1〜 4
5〜 6
7  
8  
9  
10〜14
NM



N
00

Owner ID
Attributes
Signature byte 1
Signature byte 2
File Number
Reserved
所有者グループID、所有者ID
属性ビット
'X'($58)
'A'($41)
ファイル番号
予約領域

 ●属性ビット

表3.11 属性ビット
ビット位置
フィールド名称
説  明
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
Owner Read
Reserved
Owner execute
Reserved
Group read
Reserved
Group execute
Reserved
World read
Reserved
World execute
File contains Form 1 sectors
File contains Form 2 sectors
File contains interleaved sector
CD-DA file
Directory
 










Form 1セクタを含みます
Form 2セクタを含みます
インタリーブセクタを含みます
CD-DAファイル
ディレクトリファイル

■パステーブル

 ディレクトリ階層の各ディレクトリに対してパステーブルレコードが記録されます。パステーブルレコードには、1から始まる番号が付けられ、最初のレコードはルートディレクトリを示します。
 パステーブルレコードの詳細を以下に示します。

表3.12 パステーブルレコード
バイト位置
フィールド名称
説  明
1       
2
3〜6
7〜8
9〜
(8+LEN_DI)
9+LEN_DI
N
N
N
N
D1

00
Length of Directory Identifier
Extended Attribute Record Length
Location of Extent
Parent Directory Number
Directory Identifier

Padding Field
ディレクトリ名の長さ
拡張属性レコードの長さ
エクステント先頭のLSN
親ディレクトリのエントリ番号
ディレクトリ名

ディレクトリ名が奇数の場合のみ

■ユーザファイル

 ユーザファイルは、データエリアに配置されます。
 1ファイルは必ずしも連続して配置されるとは限らず、一般にはインタリーブされて配置されます。Mode2 のセクタはForm1とForm2が混在するが、ファイルサイズとしてはどのセクタも2048バイトに換算します。
 また便宜上、Mode1のセクタは、形式的に、サブヘッダが0のForm1セクタとして扱うものとします。
 Form2セクタのデータは必ず2324バイト単位とし、端数バイトは許されません。

■その他

 ●ディレクトリ構造   
 GAME-CDではサブディレクトリ構造もサポートします。

 ●マルチボリューム
 サポートしません。

 ●マルチセッション
 サポートしません。


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