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PROGRAMMER'S GUIDEDISCフォーマット規格仕様書
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DISCフォーマット規格仕様書

DISC物理フォーマット


 物理フォーマットはCD-ROM規格(YELLOW BOOK)、CD-ROM XA規格に準拠しています。
 この規格内で、SEGAが特に限定する点について記述します。また、アプリケーションを開発する上で必要な事項についても記述します。

■ディスク内の領域分割と各エリアの配置

 ディスクは内周より以下の順に分割、配置されます。

  1. リードインエリア
  2. プログラムエリア
  3. リードアウトエリア

 リードインエリアには、「CD-ROM XA規格」に従い、TOC情報が書き込まれます。

図2.1 ディスク内の各エリアの配置

CD-ROMエリア(Mode 1)は1トラックだけ必要です。
CD-DAエリアは、少なくとも1トラック以上必要です。

■プログラムエリア(Program Area)のトラックレイアウト

 ディスクは、1つのCD-ROMトラックに続くCD-ROM XAトラックから構成され、CD-DAトラックがこれに続きます。
 したがって、プログラムエリアは以下の順に分割、配置されます。

 これは、オーディオCDプレイヤにかけたとき、CD-DAトラックを再生中に急にCD-ROMトラックが再生されてしまうことがないようにするためです。
また、Mode 1 トラックにのみ対応したCD-ROMドライブに当ディスクがセットされても、トラブルのないように、Mode1トラックを先頭に配置します。したがって、各トラックは上記の順に配置しなければなりません。
 CD-ROMトラックとCD-DAトラックを交互に配置したり、CD-ROMエリアとCD-DAエリアを逆に配置しないでください。

 ●トラック番号
 CD-ROMエリアのトラック番号は「01」とします。
 CD-ROM XAエリアのトラック番号は「02」から「98」まで連続して設定できます。
 CD-DAエリアのトラック番号は、CD-ROM XAエリアがない場合は「02」から、CD-ROM XAエリアがある場合には連続する次のトラック番号から「99」まで連続して設定することができます。
 不連続的には配置しないでください。
 1トラックは、必ず4秒以上にしてください。

1トラックは、ポーズ領域やプリギャップ、ポストギャップ領域を除いて必ず4秒以上必要です。

 ●トラック間のポーズ
 CD-ROMトラックの前後、CD-ROM XAエリアの前後、各CD-DAトラックの前、最後のCD-DAトラックの後には、「YELLOW BOOK」に従って、2秒のポーズ(無音期間)を置かなければなりません。これは、オーディオCDプレイヤーでシークした場合に前の曲の最後の音が出ないようにするためです。

 ●CD-DAトラック
 CD-DAエリアには、最低1曲分のデータを置かなくてはなりません。CD-DAデータが必要ない場合には、

 音声サンプル例:
「このCDはGAME-CDです。専用のゲーム機でプレイしてください。」

 というような注意メッセージを入れてください。これは、オーディオCDプレイヤにかけられたとき、それが何のCDかを知らせることを想定したものです。もし、1曲でも音楽データがあるときは、このメッセージは必要ありません。ユーザは、曲だけを聞くためにプレイすることもあるからです。

 ●プログラムエリアの記録範囲
ABS TIME
LSN
FAD
先頭フレーム
 00:00:00
0
先頭セクタ
 00:02:00
0
150
最終セクタ
 63:01:74
 283499
 283649
最終フレーム
 63:03:74
 283799
リードアウトエリア開始時間 
 63:04:00

 「先頭フレーム、先頭セクタ」は、必ず上記の時間になります。「最終セクタ、最終フレーム、リードアウトエリア開始時間」は、必ず上記の時間、もしくはこれより小さい値になりなります。

図2.2 データトラックを最大にした時のトラックイメージ図
(オーディオトラックを最小にした時)

 実際にデータセクタとして使用できるのは、先頭セクタからポストギャップ開始の1セクタ前までです。(約566MByte)
 オーディオトラックの使用時間が1分増えるごとに、9MBのデータセクタを消費します。

■ディスク上の位置を指定するキー

 ディスク上の位置を指定するのに、絶対時間(Atime)、論理セクタ番号(LSN)に加えてフレームアドレス(FAD)を導入します。

 ●論理セクタ番号(LSN)
 絶対時間の00:02:00を0としてセクタ(フレーム)単位に連続的に番号を付けたものです。

 ●フレームアドレス(FAD)
 絶対時間の00:00:00を0としてセクタ(フレーム)単位に連続的に番号を付けたものです。絶対時間に1対1で対応します。

 論理セクタ番号とフレームアドレスには以下の関係があります。

 論理セクタ番号=フレームアドレス−150

 CDブロックに対してはフレームアドレスをキーとしてアクセスします。
 フレームアドレスなどの意味を明確にするため、図2.4にトラックの構造とアクセスキーの関係を示します。

図2.3 一般的なGAME-CDの構造

(注)CD-ROM XA規格では、POINT=A0Hの時 PSEC=20Hですが、本Semi CD-ROM XA規格ではPSEC=00Hとなります。

■セクタ構造

 図2.4にCD-ROMおよびCD-ROM XAのセクタ物理フォーマットを示します。
 GAME-CDではMode1、Mode2 Form1とMode2 Form2の3種類のセクタを使用します。

図2.4 CD-ROMおよびCD-ROM XAセクタフォーマット

フォーム指定のないMode2フォーマットは使用できません。

■ヘッダフィールド

 ヘッダはセクタアドレス(絶対時間)とモードバイトで構成されます。ヘッダフィールドの構成を表2.1に示します。
 サブコードQチャネルのATIMEの値とヘッダ内のセクタアドレスの間には誤差が存在する場合があります。したがって、セクタを特定する場合には、サブコードQチャネルでなくヘッダの値を使用することとします。

表2.1 ヘッダーフィールドレイアウト
バイト添字
12
13
14
15


フレーム
モード

■サブヘッダフィールド

 サブヘッダは8バイトからなり、ファイル番号、チャネル番号、サブモード、コーディング情報の各1バイト(計4バイト)が2度書きされています。2度書きの理由はデータ信頼性のためです。

 ●ファイル番号
 ファイル番号は1つのファイルに属するセクタを識別するために使用されます。あるファイルは他のファイルとインタリーブして記録することが可能です。この時、論理的なファイルの、各セクタのファイル番号は同じ値になります。
 ファイル番号は同一ファイルに属するセクタを選択したり、対象外のファイルを排除するために使用することができます。
 ファイル番号の値により、以下の制約条件があります。

表2.2 ファイル番号の制約>
ファイル番号
説  明
0
以下のファイルまたは領域に使用されます
・ディスク上で連続的に記録されたファイル
・ディレクトリ
・その他(パステーブル、ボリュームディスクリプタ)
他ファイルとインタリーブできません
1〜255
インタリーブされている場合も、連続的な場合も有り得ます
(他ファイルとインタリーブされているか否かは明確ではありません)

 ●チャネル番号
 チャネル番号は、ファイル内の1つのチャネルに属するセクタを識別するために使用されます。

図2.5 チャネル番号によるセクタインタリーブ

 ●サブモード
 サブモードは、システムにおけるセクタの割り当て、ファイルやレコードの終結、同期などに使用されます。
 サブモードバイトの構成を表2.3に示します。

表2.3 サブモードのビット構成
ビット番号
ビット名称
省略値
7
6
5
4
3
2
1
0
End Of File(EOF)
Real Time Sector(RT)
Form(F)
Trigger(T)
Data(D)
Audio(A)
Video(V)
End Of Record(EOR)
0
0
0
0
1
0
0
0

 エンプティセクタを除くすべてのセクタは、ビット1、2、3(Video、Audio、Data)のどれか1つのビットだけが1でなければなりません。

 ●コーディング情報
 コーディング情報バイトは、セクタのデータタイプの詳細を定義します。GAME-CDでは規定しません。

 ●エンプティセクタの情報
 チャネル番号とコーディング情報が0で、サブモードのData、 Audio、Videoの全てのビットが0のセクタです。
 エンプティセクタは、ユーザーデータ領域が全て0のForm2セクタであることが要求されます。


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