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SGL User's ManualSOUND TUTORIAL
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SOUND TUTORIAL/2. 曲を作る

2-2.使用する楽器の音をとる

 電源を入れた時点でのサターンターゲットと、MIDI音源との相違点は、ターゲットには音色データが用意されていないという点だけで、あとはほぼ同様と考えていただいて結構です。
ここでは、Waveエディタを使用してターゲットで扱う音を波形として取得します。
SEGA Sound Library として用意されている音はサイズ的にかなり大きいため、実際にゲームで扱うには、サイズを小さくするなどの作業も発生します。
ただし、ある程度サウンドになれるまではこのライブラリを使用するのも良いでしょう。

 それでは、実際に音を取り込んでみましょう。

 この作業は、サンプリングと呼ばれ、セガサウンドツールのWaveエディタを使用することにより、読み込んだ音をターゲットから直接出力する事ができます。

 以下の順序で音を取り込みます。

 1)Waveエディタの起動
 Waveエディタを起動します。

 2)新規ファイルの作成
 新規ファイル作成を選択します。

図2-2 新規ファイルの作成

 3)ターゲットモジュールの設定
 ターゲットからのサンプリング条件を設定します。
ターゲットから発音させるので“SCSP”を選択します。また、音の取り込みには“16bit”を選択します。選択後に、“OK”をクリックしてください。

 

図2-3 ターゲットモジュールの設定

 4)取り込みの設定
 音の取り込み時間が10秒以内ですむのならmemoryを、それ以上であればHDを選択します。
図のように“16bit”を、また、取り込みにはモノラルしか扱えませんので、“mono”を選択してください。選択後に、“OK”をクリックしてください。

図2-4 取り込みの設定

図2-5 HDの設定

 5)発音させる
 Play Audio”を選択します。

図2-6 “Play Audio”の選択

 するとキーボードの画面が出ます。この画面で、サンプリングした波形を発音させます。
ただし、ここは波形の編集がメイン作業ですから、キーを弱く押そうが、強く押そうが、音量の変化はありません。
音量の設定はToneエディタで行います。

図2-7 キーボード画面

 マウスで、鍵盤の部分を押すとターゲットから音が出ます。
また、再生ボタン(▼)を押すと基本となるキーの音が出ます。止める場合はストップボタン(■)を押します。

 6)基本的な編集
 ット、コピー、ペーストは、一般的なワープロソフトと同様にマウスで選択して、編集メニューから実行します。
若干違うのは、ペースト、カットの場合に選択部分を上書きするか、またはカットする部分を詰めてしまうかといった選択があるということだけですから、ほとんど同じ処理で済みます。

 7)ループをかける
 ループをかけることにより、ループ指定範囲の音を繰り返すことができるため、波形に要するサイズを小さくすることができます。
下図にループ設定例を示します。設定後は、“Set”をクリックしてください。

図2-8 ループの設定

 最後のところでプチッというノイズが入る場合には、ループの位置をずらしてください。
スペースキーで音を確認しながら、スクロールバーの矢印で少しずつ移動させます。
ループには以下の3種類があります。

図2-9 ループモード

 8)波形に対するエフェクトの設定
 これらは色々試してみないと分からない部分もあると思いますので、目安だけ載せておきます。操作は数値を変更するだけです。

表2-1 エフェクト内容
Resample 11K〜44.1Kサンプル数の変更
(あまり下げるとなめらかな音でなくなる)
Pitch Shift0〜127 大きいと速くなる(標準は60)
Size Shift Max FFFEh サイズを変更(全てのパラメータに影響)
Scale 100% ボリュームの調整
Filter
 LPF(ローパスフィルタ)
 HPF(ハイパスフィルタ)

500〜16000Hz
32〜2200Hz

設定値より高い周波数のカット
設定値より低い周波数のカット
Compressor
 Threshold
 CompressionRatio

-90〜0
1〜90

大きくなるほど、音量は小さくなる
大きくなるほど、音量は小さくなる
Noise Gate
 Threshould
 Release
 Hold

-90〜0
0〜2000
0〜2000

これに達しない部分を無音化する
フェードアウトまでの時間
フェードインまでの時間

 これらの調整はあまり大きく値を変えずに、少しずつ変化させるように心がけてください。
また、こまめにデータのセーブを行ってください。
最終的に作成されたファイルはマッキントッシュのAIFF(オーディオ・インタフェース・ファイル・フォーマット)のファイルとなります。

 これまで説明してきたWaveエディタにはターゲットから直接音を確認できるという利点がありますが、もともとマッキントッシュの他の波形編集ソフトウェアに慣れ親しんでいる人はそちらを利用して、最終的なチェックだけに使用した方が効率は上がると 思われます。
マッキントッシュのサウンド関係のソフトウェアは歴史も古く充実していますので色々なソフトウェアを試されてみてはいかがでしょうか。


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