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SGL User's ManualSOUND TUTORIAL
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SOUND TUTORIAL/2. 曲を作る

2-5.曲を作る

 今まで作成してきたものは音だけでしかなく、さらにその音を使って曲を作らなければなりません。
しかし、セガサウンドツールには、楽譜や曲データを作成するためのソフトウェアが用意されていません。 楽譜を作成するソフトウェアは、主にシーケンスソフトと呼ばれるもので、MIDI楽器(キーボードなど)を演奏するとそれをレコードし、曲のデータを保存します。
また、ノーテーションソフトと呼ばれる機能を持ったものもあり、楽譜を表示して音符をワープロのように入れていく機能を持っています。
シーケンスソフトは、曲データをSMF(スタンダード・MIDI・フォーマット)形式で保存することが可能です。
サターンで使用するには、このSMFのタイプ1フォーマットで曲データを保存してください。
詳しい内容はそれぞれのソフトウェアのマニュアルを参照してください。

 また曲を作成する前に、曲自体に関しての注意点がありますので、必ず以下の点をゲームプログラマに確認しておいてください。

 曲自体に関する注意

  • フェードアウト使用時
     長くのばす音を使用している時、フェードアウトがかかる前にその長い音が発音されていると、その音は、鳴っている途中では、ボリュームが変更されないため、長い音だけがフェードアウトがかからずに残ってしまう場合があります。

  • ループ使用時
     ループ情報の入った曲を鳴らしているときに、曲のテンポを変更すると、ループの頭でテンポがデフォルトに戻ってしまいます。

     それでは、曲の作成に移ります。
     曲の作成(効果音も含む)はそれぞれの楽器のパートを、トラックと呼ばれる単位で扱います。
    SMFファイル作成時に、音符情報が入っているトラックには、MIDIイベントと呼ばれる情報を、以下の順番で最低1クロックずらして入れなければなりません。

     1)トラックの先頭に、コントロールコード0の0番を入れます。
     サターン用の場合には入れても入れなくとも問題はありませんが、以後使用するコントロールナンバーの32〜63は、もとは0〜31までの精度を上げるために用意されたものですから、入れた方が良いということです。

     2)続いて、コントロールコード32を入れます。
     パラメーターは、この曲(効果音)で使用するトーンバンク番号(0〜15番)です。トーンバンク番号はサウンドシュミレータのマップの作成の際に設定します (2-6項の“4)マップの作成”を参照)

     3)続いてプログラムナンバーを入れます。
     トラックで使用する音色の、2)で設定したトーンバンクの先頭からの番号(0〜127番)を入れます。

     VisionAVでの例を以下に載せますが、他のシーケンスソフトでも基本的には同様です。

    図2-31 VisionAVを使用したコントロールコードの挿入例

     コントロールコードの場合には、以下のように、挿入したコントロールコードの位置をマウスクリックして、0および32の設定をします。

    図2-32 コントロールコードの設定

     このソフトウェアは、「Number(0)」となっていますが、日本語版のソフトウェアは、「コントロール(0)」となっているものもあります。
    また、ポップアップメニューがでないで、()の位置にマウスを合わせて、クリックすると番号が上下するソフトウェアもあります。

     その他にBGMなどで曲をループさせるには、ループの先頭と最後に、コントロールコード31の0番を入れることにより可能となります。

     ループ情報は1つのトラックに入れておけばよいものなので、ループ情報だけを入れたトラックを作っておくと、後で見て分かり易いでしょう。

     以下はその例です。

    図2-33 ループ情報用トラック例

     MIDIイベントの挿入方法はコントロールコードの挿入例と全く同じです。

  • 保存
     保存は、SMFファイルのマルチトラックで保存します。 まず、ファイルメニューのエクスポートを選択します。

    図2-34 ファイルの保存(エクスポート)

     続いて、以下のような画面が表示されますので、SMFと、Type1フォーマットを指定します。

    図2-35 ファイル保存(エクスポート)時の設定


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