3.ソースコードの構成

■ソースコードの書式

　●構成および書式

dAsmsのソースコードの構成および書式は、以下に示すとおりです。

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#COEF　　　　　　　　　　　　　　←係数シンボル定義の開始を示すラベル
--------------------------

　（係数シンボル定義式）

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#ADRS　　　　　　　　　　　　　　←アドレスシンボル定義の開始を示すラベル
--------------------------

（アドレスシンボル定義式）

--------------------------

#PROG　　　　　　　　　　　　　　←プログラム記述の開始を示すラベル
--------------------------

（アドレスシンボル定義式）

--------------------------
#END 　　　　　　　　　　　　　　←プログラム記述の終了を示すラベル

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　●コメント(注釈文)

• ソースコード上において、記号「'」で始めてその行の末尾(改行)までをコメントとすることができる。dAsmsはこれを無視します。

• コメントは、ソースコード上の任意の場所に置くことができる。

■係数/アドレスシンボルの定義

　●定義書式

………………………………………………
(シンボル名)=(初期値)
………………………………………………

ただし、

(シンボル名)：

DSPプログラム記述中において係数/アドレスデータとして使用するための「変数名」。半角英数字で15文字以内の文字列。

(初期値)：

上記シンボル名が表す「変数」に対して与えるデフォルト値。別途規定する各種表記のうちのいずれかで記述する。

注　意	定義式１行につきシンボル１個を定義できるものとし、それぞれのシンボルに初期値を与えなければなりません。

　●ユーザ定義可能なシンボルの個数

係数シンボル	：63個
アドレスシンボル	：32個

　●予約シンボルについて

係数シンボル「ZERO」が予め定義済みなので、ユーザはこれと同じシンボル名を新たに定義してはいけません。このシンボルに与えられた初期値は「０」であり、そのデータは実行形式プログラムの係数データ部分の最初に置かれます。 したがって、ユーザ定義の係数シンボルは、係数データ部分の２番目以降に定義順に置かれます。

注　意	この予約シンボル「ZERO」は、ユーザが作成するソースコードのプログラム部分において、係数定義部分で定義することなく利用できますが、 その値を(実行形式プログラム上、あるいはそれがロードされたDSPハードウエア上など、いかなる場合においても)変更してはなりません。

　●ソースコード上の係数/アドレス定義部分における表記モード

係数／アドレスの定義部分において、以下の表記モードが使用できます。

定義部分	表記モード	識別子	例	変換方法	例の変換結果
#COFF	16進表記	［&H］	&HOFFF	無変換	&HFFF
	10進表記	無し	123	10進→16進	&H007B
	％表記	［％］	％50	（1）	&H0800
	小数表記	［.］	0.25	（2）	&H0400
#ADRS	16進表記	［&H］	&H8000	無変換	&H8000
	10進表記	無し	123	10進→16進	&H007B
	ミリ秒表記	［ms］	ms300.0	（3）	&H33AE

「変換方法」の項目は、「各表記モード上の値→実データ」の変換を行う方法を示します。
変換方法 （1）,（2）,（3）はそれぞれ以下のとおりです。

（1） (係数値)= 4095 ×（表記値）／ 100

（2） (係数値)= 4096 ×（表記値）

（3） (アドレス定数値)= 44100 ×（表記値）／ 100

※(1)と(2)の定数の違い( 4095 と 4096 )に注意してください。

※(1), (2), (3) の全てについて、浮動小数点で計算を行い、その結果を最終的にゼロに向かって四捨五入するものとします。

※変換後の実データのフォーマット(EXCファイル上)は以下のとおりです。

定義部分	実データのフォーマット
#COEF	13bit2の補数フォーマットの16進数
#ADRS	16bitリニアフォーマットの16進数

　●係数/アドレスシンボル初期値として使用可能な値の範囲、および書式

定義部分	表記モード	範　囲	書　式
＃COEF	16進表記	1000〜0FFF［hex］	16進符号付き整数（13ビット幅）
	10進表記	−4096〜＋4095［dec］	10進符号付き整数
	％表記	−100〜＋100［％］	10進符号付き整数
	小数表記	−1.0〜＋0.99975［dec］	10進符号付き小数（整数部1桁、小数部5桁まで）
＃ADRS	16進表記	0〜FFFF［hex］	16進符号無し整数（16ビット幅）
	10進表記	0〜65535［deci］	10進符号無し整数
	ミリ秒表記	0.0〜1486.0［ms］	10進符号無し小数（整数部4桁、小数部1桁まで）

例:ソースコード上の係数／アドレス定義部分において次のような表現ができます。

#COEF
CoefA = &H0FFF
CoefB = 123
CoefC = %50
CoefD = 0.25

#ADRS
AdrsA = &H8000
AdrsB = 123
AdrsC = ms300.0